私立蜜柑学園
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ってかさ、全体でのゲームって何やるんだろうね。律さんに言って、生徒会の人と一緒にしてもらうのも良いけど…俺が面白くない。そのゲームの内容によっては、もっと良い関わり方があると思うんだ。
「ゲームは例年通り、学園長主催の宝探だ。で、このクラスは何をやるんだ?? 去年、先輩方がやったのを見てるから、どんなのをやれば良いか分かるだろ?? 後は、委員長に任せたぞ。決まったら、おれん所に報告しに来い。」
ろう先生は、そう言い残すと忙しそうに去って行った。じゃなくて!! 今さらっとゲームの内容言った!! 学園長主催の宝探し、ってことは……楽しめそうじゃん。
とりあえず、律さんの所に遊びに行こう、いや、メールで良いや。だって、変態だからな、見た目ダンディーなのに。
クラスの出し物についてはノータッチ。だって、俺、転入生だから何も分からないからね。…面倒なのが、大半の理由だけど。平々凡々な俺は裏方だろうし。逆に表舞台に立ったら、アイツ何??ってなって面白い気もするけどね、面倒なのは嫌。
あ、チャイムなった。
「うっちー、新入生歓迎会って実際どんな感じなんですか??」
「あー、生徒会を拝む機会、ちゅーかなんとゆーか。」
「そうそう!! クラスの出し物でも、ゲームでも目立つ役は生徒会とかなんだよなー。ゲームじゃ必ず生徒会の奴が優勝するし!!」
「え、宝探しなのに優勝とかあるんですか??」
必ず、って怪しいよな。物事に確実なことなんて無いんだから、何か裏があるんだろう。まぁ、律さんに訊けば分かるか。
「あぁ。宝探しって言っても、ポイント制なんだ。学園敷地内に500個程宝箱が隠されていて、その箱の中にポイントが書かれた紙が入ってるんだ。」
「まぁ、半分位はハズレなんやけどな。アタリは200個位やったは、確か。数打ちゃ当たる方式でやるしかないわな。」
…数打ちゃ当たる、か。それで、生徒会が必ず優勝?? 律さんが情報を流してるのか?? んー、なんか違う気がするんだけどなぁ。早く律さんにメールしたい!!
「それは大変ですね…。もし、一般生徒しかいないグループが優勝したら、どうなるんですか??」
「前例ないんとちゃう?? この学校の行事のメインはいつも生徒会やし。」
「別にボクラがそうしたくてしてるんじゃないよ。ただ、生徒の意を汲み取らなきゃいけないからねー。」
お、珍しくノアが話しに入ってきた。いつもなら、他のクラスの奴とじゃれあってるのに。
「俺は全然そんなの望んでないけど。」
うお、慧登がちょっと怖い。生徒会に恨みでもあんのか??
「それは極一部の人でしょ。大半はそうなんだから仕方ないよ、ネ。」
ははは、一発触発?? 前はこんな雰囲気なかったのになぁ。何かあったのかな、最近。それを探るのも楽しそうだけど、今は必勝法を探る方が先決かな。
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