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私立蜜柑学園
職員室にて




 そういえば、校長室と職員室は近いんだっけ。1分もしない内に着いちゃったよ。BL小説では移動中にいろいろあるらしいんだけど、何も無かったよ、すぐる。すでに先生の向かいに座ってるし、コーヒーまで飲んでるからね。


「雨森は高校卒業後、何をしたいんだ?? それによって選択する科目が違ってくるからな。」


 唐突だけど無駄話がない辺り、かなり好感持てるよ。ちなみに俺が去年通ってた高校は、道内で3本指に入るだろう進学校で、公立だけど単位制を取り入れてたから、あんまこの学校と変わんなかったりするんだよな。


「僕は国公立の教育学部に進みたいです。」


「自分が行きたい大学は絞ってあるか?? センターや2次試験に何が必要か分かるか??」


「大学はすでに1校に絞ってあります。センターは国数英に理科・地歴・公民から1科目ずつで、2次試験は小論文だけになります。」


「そこまで調べてあるとは…すごいな!! そういえば、雨森が前通ってた高校もうちと似たような制度を導入してたもんな。なら、説明しなくてもだいたいの事は分かるな??」


「はい。大丈夫だと思います。」


 話がすんなり進んで気持ち良いから、俺のスペシャルスマイルをプレゼントだ!! いや、いらないかもだけどな。


「うっ。」


 ん?? 先生が呻きながら俯いたんだけど大丈夫か?? なんか顔が赤いけど…二日酔いか??せっかく爽やかなのに、二日酔いとかギャップ萌え??(←違)


「あ、あ雨森は、この学園についてどの位知ってるんだ??」


 ちょっとどもりすぎじゃね?? 俺の名前"ああまもり"になってんじゃん!!(笑)


「えと、全寮制の私立男子校で名門と呼ばれる部類に入り、単位制を取り入れ"生徒の自主性"を重視している学校、位です。」


 なんだ?? もしかしてホモ9割宣言がくるのか?? そうだったらすぐる、喜ぶだろうなぁvV


「めぐるは同性愛についてどう思う??」


 なぜか名前呼びになってるー!! いや、別に良いんだけどな、オトモダチになるわけだし。


「本人同士が良しとするなら良いんじゃないんですか?? それにまず、僕には関係ないでしょうし。」


「そうか…。実はこの学校、初等部から周り男ばっかで、中等部と高等部に至っては全寮制で、恋愛対象が男に向く奴が多いんだよ。殆どバイだと言ってもいい位だな。」


 ホモじゃなかったけど、バイ9割宣言入りましたー!! まぁ、俺もそんな環境だったら許容範囲広がるだろうけど。何も知らない設定でいきたいから驚いときますか。


「そ、そうなんですかっ!? でっでも、僕みたいな平凡には無縁な話ですよね??」


 せんせー、図星だからってそんなに眉間に皺寄せないで!! かっこいい顔がだいなしだよ!!


「いや、お前は動作が可愛らしいし、笑顔がやばい。ノーマルな筈のおれでも一瞬くらっときたからな。」


 ぇえーっ!? まさか!! お世辞ですかっ!?


「めぐる、ちょっとこっちに来い。」


「なんですか、先せ
――ちゅ
………い??」


 今俺何された?? なんか唇にぶつかった気もしなくもなくもない的な…。(←混乱中) そしてなぜに満足気な笑顔を浮かべてるんですか、先生。


「これで分かっただろ。めぐるは無防備すぎる。もしここに他の人が誰もいなかったら、このまま食べちゃうところだったぞ。」


 やっぱ、先生にキスされたのー!? そして危うくその先に進んじゃうところだったのー!? え、ノーマルって言ってたよね?? なのに爽やかな笑顔で危ない発言してるよ、この人!!


「ん?? それともこれから、おれの部屋に来るか?? こんな学校にいるせいかか男同士でヤる知識はあるから、痛くはしないぞ??」


 だーかーら!! 顔と発言がミスマッチ過ぎるって!! ってかすでに手ぇ握られてどこかに連れて行かれてるんですけど!!


 誰かへるぷみー!!






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