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私立蜜柑学園
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side・律


 今日茂樹の息子が学校に来るんですけれど、かなり面倒くさいですね。写真で見た限り、平凡で何の面白みもなさそうですし、この学園で狙われることなんてなさそうなので、説明するのは単位制のこと位で良さそうですね。


――コンコン


おや、もう来てしまったみたいですね。


「どうぞ。」


「「失礼します。」」


 めぐる君が物凄くキラキラした目で見てくるんですけど、私は何もしてませんよね?? でもなんか可愛いですね。


「お久しぶりです、雨森さん。何年振り位ですかね??」


 確かに久しぶりではありますね。会ったのはかなり昔で…めぐる君が生まれて1、2年経った辺りだった気が…。


「もう15年とかになるんじゃないんですか?? めぐる君がまだ歩けていませんでしたからね、めぐる君は私の事全く覚えてないでしょう??」


「はい…すみません。」


 この子、猫被ってますね。本人は完璧だと思ってる様ですが…伊達に教育者(といっても経営者ですが)やってるわけではないんですよ。でも覚えられていなかった事で胸が痛むのは何故でしょうか。


「仕方ないですよね。とりあえず、こちらに座って下さい。」


 めぐる君、私のことを見惚れていますね。とても可愛らしくて食べてしまいたい位ですよ。

 あぁ、私はめぐる君に一目惚れしてしまった様です。親子程歳が離れている上に男同士、どうやったら上手くいくでしょうか。とりあえず二人きりになりたいですね。


「では、改めて初めまして、君のお父さんのお父さんの弟の息子の雨森律です。これからよろしくお願いしますね。」


「いえ、僕の方こそ至らぬ点がたくさんあると思いますがよろしくお願いします。」


「本当に駄目息子ですがよろしくお願いします。」


 私無しでは駄目になる様に躾たいですね。


「はい。これから学園の説明をしたいと思うんですが、百合子さんは聞いていかれますか?? 保護者に対しての説明は事前に渡してあるパンフレットで十分なんですけど。」


 めぐる君も百合子さんに帰ってもらいたいみたいですしね。

「母さん引っ越しの片付けとかまだ残ってるんだろ?? 帰っててもいいよ??」


「ならお言葉に甘えようかしら。」


「GWには帰れると思うから、それまで元気でね、母さん。」


 ご両親には聞き分けが良くて、気が使える息子を演じてるみたいですね。




「百合子さん、茂樹によろしく伝えて下さい。」


「はい、失礼しました。」


 ふふ、これでめぐる君と二人きりですね。担任の先生が来ないのならこのまま頂きたかったんですが、生憎もうそろそろ来る時間ですから、必要最低限の説明はしますか。



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あきゅろす。
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