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□■Club24-7■□
Just Dance !
DJブースの周りにみんながぎゅうぎゅうと押し寄せ、腕を伸ばし携帯のカメラでプレイ中のオレを撮る、オレはヘッドフォンを右耳と肩で押さえ空いてる左手で汗を拭きながら、みんなに笑顔で手を振った。
しばらくして春人がオレの隣に立ち軽く背中をたたいた。

「ナオ、サンキュー、お疲れさん」

「あぁ、ふーっ」

久し振りの心地よい緊張感がとけ、ヘッドフォンを首からはずしレコードをしまいブースを離れた時、なんとオレの目の前にカズマさんがいた!

「カズマさん!?」

「ナオ久し振りだな!良かったぜ!おまえのDJ」

オレは思わず右手を差し出しお互い握手をしていると春人がマイクでしゃべりだした。

「お帰りナオ!そして熱いサウンドありがとう!」

春人のマイクに合わせみんながオレに言ってきた。

「ナオさんお帰りなさい!」

「直樹さーん!!」


はあっ!?戸惑うオレ…

「ナオ、カズマと一緒にまたかましてくれよ!」


ええっ!?マジかよ?

聞いてないよー!

「ナオ、久し振りにオレと一緒に踊ろうぜ!」

カズマさんがフロアの真ん中にオレを手招き誘う、周りのみんながスペースを空けた…
今まで流れていた曲がフェードアウトして店内が静まりかえった。


フロアの中央にオレとカズマさんが視線を合わせ並んだ時、春人自らDJをし曲をスタートした!

ニュージャックスイング、GuyのJust Danceだった!


久し振りにカズマさんと踊るはずなのに、自然と体がサウンドに合わせダンスをする、そうこの曲でオレはカズマさんから何度も駄目だしをくらいながらレッスンを受けイベント、コンテストにでたのだ。
ビートが体中に染み込むようにオレの筋肉、細胞を伝わりリズムに反応し踊り、そして化学反応をするかのようにフロア全体が熱く燃え上がり一気にヒ−トアップ!

フロアの熱気に包まれたまま、オレとカズマさんのダンスが終わった…、
息をきらすオレにカズマさんと春人が駆け寄り手を差し出し3人が始めて会ったあの日のように手を重ねた。

声援、拍手に包まれオレは右手を高く上げ手を振った、息も切れ、感極まり言葉がでなかった。


 『ありがとう』


という言葉が…

そう、オレは帰ってきたのだ…

Clubに……戻ってきた……



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あきゅろす。
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