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□■Club24-7■□
ホットケーキ…3
「お兄ちゃん、焦げてない?」

「あっ、やべえ〜」

樹里の声にヒロシはわれにかえりフライパンから4枚目のホットケーキを皿に移し冷凍庫からバニラアイスを取り出すとスプーンでホットケーキの上にのせた。

とろりとホットケーキに白いまくをつけながらバニラアイスがとける。



「うわぁ、美味しそう!
ゴメンネ、暑いのに……
私が食べたいって言ったから……」

「何いってんだよ、ほらできたぞ!食べようぜ、少し焦げたけど(笑い)」

「うん、あたし運ぶ」

台所からクーラーの効いた居間に移り小さめの折りたたみ式のテーブルに樹里はホットケーキの盛った皿を置くと、香ばしいホットケーキのいい香りが部屋に充満した。
部屋に掛けてあるシャツに匂いが移るかと少し心配だが、今はそれよりも樹里の反応が気になった。

「お兄ちゃん、ほら、ふわふわだよ!おいしい〜♪」

ホットケーキを美味しそうにほおばる樹里の顔は、あの日と変わらず幸せな笑み浮かべてホークも使わず手で千切ってとけたバニラアイスつけながらもくもくと食べるのだった。

「そっか、よかった」

ヒロシはあっけない返事を返し無言でコップに冷えた麦茶を注いで樹里に渡したが、内心は凄く嬉しくヒロシ自身も樹里の反応に満足していた。
かなり手間をかけたご馳走といえるものじゃないが、素朴なまでの懐かしさ幸せを感じる味、香り、景色、思い出があるヒロシ作るホットケーキ……

それに限らず、大切なモノは形として敬称されても見ず知らずの他人から見ればその価値や感じ方はまったく違うものになるが、目に見える上辺だけじゃなく大切なことは当事者の感じる思いと受けかたであう……
ただ、今はあの日のように何も考えず素直に笑ってほっとしたい…


「ごちそうさま、お兄ちゃんありがとう、美味しかったよ!」

そう言って樹里は立ちながら麦茶を飲み干し、食べ終わった自分とヒロシの皿とコップを片付け台所に持って行きそのまま洗ったのだ。

「うん、サンキュー」

居間から食器を洗う樹里の姿を見ながら時の経つ早さにヒロシは複雑な感情を抱いた……

踏み台や椅子無しでは台所のシンクに届くことさえ出来なかったあの小さかった樹里が………

大人になるのってなんだろう?


時間の流れや速度は同じでも人生のスタートとゴールはみんな違う。



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あきゅろす。
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