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□■Club24-7■□
8月22日 再会
8月22日、蒸し暑い夏の夜も後数日……
CLUB24‐7はいつもと変わらない賑わいでDJのまわすサウンドに皆が思い思いに踊り汗を流し、曲に聞き入り酔いしれていた……

店の入り口近くで何かあったのか、客の一人がスタッフのヒロシを呼びだした。

「あっ、なんかこの子、かなり酔っぱらってるみたいで倒れてんだけど……」

見ると女子高校くらいの十代の女の子が店の入り口で酔いつぶれ横たわっていた。
ヒロシが心配そうに声を掛けた。

「おい、大丈夫か?

だいじょっ……

樹里!!」

「うん、…あっ……
お兄ちゃん…」

なんと倒れていたのはヒロシの妹、樹里だった……

「ヒロシどうした?」

人だかりを気にし、春人が何事かと様子を見に来た。

「春人さん、酔いつぶれて倒れたみたいで……
こいつ、オレの妹なんです……」

ヒロシは床に倒れ込んでいた樹里を抱えお越し春人に事情を説明した。

「ヒロシの妹!?……ここじゃなんだから、とりあえず奥のスタッフルームに連れて行ってソファーの横にしよう」

春人が樹里の左腕をとり自分の首に回しそっと樹里の体を起して店の奥にあるスタッフルームに向かった。

「すみません、春人さん…」

ソファーで横になっている樹里の額に冷たく湿らせたタオルを当てながらヒロシは春人にあやまった。

「ヒロシお前、何も謝ることないって、気にするなよ!
しばらくこの子見てろよ、何かあったら直ぐにオレに言ってこいよ、じゃっなっ!」

気持ちと視線を床に落とすヒロシに春人は背中を叩き店内に戻った。

「はぁーっ」

ヒロシがため息をつくと涼子が水をコップに入れて持ってきてくれた。

「どう?大丈夫?その子…ヒロシの妹?」

「あっ、ありがとう…涼子……うん、オレの妹なんだ…」

ヒロシは涼子からコップを受け取ると樹里の目を閉じた顔をじっと見詰めていた。

「へぇ〜っ、カワイイネ寝顔、やっぱ子供だね……
あれ?あなた達なんか似てないね…
あっ変な意味じゃなくて…」

涼子の何気ない一言にヒロシはドキッと反応しコップを揺らし中の水を少しこぼしてしまった。

「ゴメン、ヒロシ…私、気にさわること……」

ヒロシの反応に涼子は自分の発した言葉を撤回しようとした。

「いや、涼子は鋭いっていうかいつも感心するよ、実は俺たち兄妹、血は繋がっていないんだ……」

「そうだったの…ゴメン、私そんなつもりで…」

「いや分かってるよ……こいつ樹里って言うんだ。オレが幼い頃に両親は離婚してオレは母親に引き取られ、7歳の時突然前触れもなく新しい父親とまだ保育園にもあがってない3歳の樹里、妹と一緒に暮らすようになったんだ……」

涼子は樹里の顔を見ながらヒロシに言ってきた。

「……私、店に戻るね」

「あっ、オレも…」

店を気にするヒロシの顔の前に涼子は右手の平を差し出し

「大丈夫、心配ご無用!」

「でも…」

「今、あなたのするべきことをしなくちゃ、その子にとってあなたはたった一人のお兄ちゃんなんだから!
でしょう!?」

「ああ…」

店に戻る涼子の揺れる長い髪と後姿を見送るように追いながら、涼子の言葉に何も言い返せずヒロシは黙って樹里の額のタオルを交換し、自分の妹の寝顔を見るのであった。

ヒロシと樹里のいるスタッフルームにDJの流すサウンドが余震のように響き夜が更けていった……




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あきゅろす。
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