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No Retrogression
落下
先程走っていた速度を緩めず
先程までの心の焦りを鎮めず
ただただ勢いで上った



もう少し冷静ならば気付けた筈だ

地下は日の光が入らない
更に窓がないから湿気も多い

すなわち足元が湿っていて尚且暗いと言うこと



焦っていたためいつも使いなれている階段と区別をつけずに上った
しかしこの階段は普段使っているものとは違う"今日はじめて使う階段"


つまり

「っ!!!?」

転んだのだ
いや、転落したの方がしっくりくるかもしれない


つまり、F1からB1へ落ちた

まぁ数段上ってすぐだが



二人は気づいて手を伸ばした

俺も手を伸ばし二人の手をつかみ体制を持ち直し再び走り出す









ことはなかった

届かない

地面とはあまり離れていない
怪我をすることはないだろう


しかし二人の顔は歪んでいた

恐怖に、失望に、絶望に染まり歪んでいた

そしてその表情からすぐに理解した


"何か"に追い付かれたと言うこと


























助からないと...言う...こ....と







二人の顔が遠退いていく


落ちている時の風の音も薄れていく


そして緩やかに、穏やかに



思考が薄れて、消えていった


















そして目を覚ましたら蜘蛛の大群が襲いかかってきたんだよ!
最悪の目覚めだったよ!
また眠りにつきそうだったけどなんとか持ち直して走って逃げたんだよ!


寿命3年は縮んだね



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