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No Retrogression
脱兎
全身に鳥肌がたった
思考が停止し全身の筋肉が力む

本能が警鐘を鳴らすが体が釘付けになり動けない
他の二人も同じらしく微動だにしない


「………………」
「………………」
「………………」

………………

部屋の中の時間が止まった
実際には数秒だったのだろうが俺には俺達には永遠のように感じた

ズズズ....

「っ!?」

不意に球体が動き出した
その瞬間に体は球体の逆方向を向き、全身の筋肉をフルに使いこの部屋の、この屋敷の出口へと走り出した

否逃げ出した

俺は二人の腕を鷲掴み走る(0.35秒)
扉を蹴破り(0.025秒)来た道を戻る

ひたすらに走る
がむしゃらに走る
速度なんか落とさずに
走る、走る走る走る走る走る

振り向くことはしなかった
どちらかと言うと出来なかった

怖くて

振り向いてしまえば恐怖で足が止まってしまいそうで
不安に押し潰されてしまいそうで
そして何より



自分が゚何゚に追われているのかを知りたくなかった



別に夜道で逃げているなら話は別だ
どこに何があるかわかるから
人の常識内のことしか起きないから

しかしここは無人の屋敷
しかもつい先程説明不可能な現象を目撃している
自分の常識外のものが来たら逃げられないと思い足が止まってしまう
それよりならば見ない方が良い



部屋から出て地下道をはしった
二人は先導して走っていた

しばらく走ると階段が現れた






これが不味かった...

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あきゅろす。
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