Hey♂yoU
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「ほんじゃ、おやすみー」
いつもは夕食後、恭が寝るまで遊び倒す力也が今日は夕食が終ってすぐに部屋に帰った。
「さっきの電話何だったんだろう…」
「まー、気にしなくていいだろ」
「でも…」
「だけどあいつが自分じゃどうしようもできなくなったら助けてやろうな。恭そういうの得意だろ?」
「うん!得意か分からないけど、出来る限りする!」
おう、と言って涼介は今日の頭をくしゃっと撫でた。
「俺それされるのスキ。なんか落ち着く。」
「猫かお前は」
ハハっと笑いながら恭を撫でまわし続ける涼介の手の感触にまどろみながら、恭は通話を切った時の見た事がない力也の切なそうな表情を思い出していた。
「力也ー遅刻しちゃうよー」
時間になっても涼介の部屋に来ない力也を迎えにきた恭・涼介・イチの三人だが力也からの応答はない。
「先行くからな!…行くぞ」
「うん…」
昨日の事がますます気になった恭だが、昨日涼介に言われたとおりに今は力也を一人にしておくことにした。
「えーと今日HRで伝えることはーっと、今日中等部が高等部の授業見学に来るからあんまりちょっかい出さないようになー 多分ここには英語の授業の時に来るはずだ」
「あー」
「何が「あー?」」
「ああ、なんでもない」
何故かHRの連絡事項を聞いて何かに納得した涼介に不信感を抱いた恭だったがそんなに気に留めるでもなく、力也が居ない1日が始まった。
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