[通常モード] [URL送信]

Hey♂yoU

「そろそろ夏だね〜、蝉が鳴き始めた」

「まあ7月だからな」

「衣替えして、制服半袖になったのはいいんだけどたまに物凄い寒い教室とかあるんだよなあ…」

「恭ちゃん、そう言う時は俺に言えよ!」

「力也じゃなくて『俺』か先生に言えよ」

「はーい」

最近は、恭が朝起こしに行かなくてもちゃんと自分で起きるようになった2人のお陰で朝は余裕を持って登校できる。

「朝から小柳見れたぜ!今日は良い事あるな」
「恭ちゃん超可愛い!あの不良2人邪魔」
「涼介様今日もクール!」
「力也様もかっこい〜」

恭が髪の毛を切って色を戻してメガネを取った後、生徒に色々言われるのを恭は「俺何か言われてない?」「すげえ視線感じて怖い」などと言っていたが、2週間もすればこんな物にも慣れてきて、やっぱり少し居心地悪いらしいが普通に周りを気にせず喋っている。

だが涼介と力也にしたら、楽しい恭との登校時間に周りに見られながら何かを言われているのは、決して気分いいものではない。
しかもたまに、恭に対して卑猥(ヒワイ)な発言をしているものまで居るのだ。

だから涼介と力也は恭が気付かないように毎朝睨みを利かせている。


“ガチャ”
“バサアアアアア”
「…。」
ストン

「恭…そろそろ学習しろ…」

恭が髪の毛を切った後からというもの、毎日恭が下駄箱を開けると下駄箱いっぱいに詰め込まれたラブレターが落ちてくる。そしてそれを見た恭は驚いてからしゃがみこんで手紙を集めるのだ。

「恭、だからそれ捨てろって」
「でも…」
「恭ちゃんそれ絶対捨てるべきだって」
「でもさぁ…」
「てか下駄箱はこれから俺が開けてやるから」
「そんな毎日毎日ラブッ…手紙入ってる訳無いから大丈夫だし!」

恭が可愛いという噂が広がってから、それは事実だという事が分かった男達は下駄箱にラブレターを入れ始めた。

恭は「手紙一杯貰った〜」と言っていたが、涼介によってそれがラブレターだと知らされるとすぐに顔を赤くして「どうしよう」と言うので、涼介はとりあえず捨てろと言った。

しかし人が折角書いた手紙を読まずに捨てたりしたら悪い!と言って恭は毎日貰った手紙を部屋に持って帰って律儀に読んでいる。

そして手紙を貰うのはたまたま今日だけだと思っている為、3週間近く毎日下駄箱にラブレターが詰め込まれているのに恭は毎日下駄箱を開けるたびに同じ反応を繰り返しているのだ。

[←][→]

3/53ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!