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臆病クリスマス 赤司side(緑赤)





━━これは、2人が中学生の時のお話━━


「ふぅ…」
部活が終わった。
みんなは、僕の練習メニューがきついと言うが、
勝つためには当然だと思う。
まあ、しんどいところもあるが。
僕が着替えを終えて、帰る支度をしていたら、
「赤司」
後ろから声をかけられ振り向くと、
同じように着替え終えた緑間がたっていた。
「やあ。なんだい?」
「いや、練習メニューのことで、少し相談があってな…」
緑間は、副部長という立場もあるのかもしれないが、
部活を良くしようと一緒に考えてくれる。
ありがたいと思う。



「…ん?もうこんな時間か…」
いつの間にか外が暗くなっていることに気がついた。
「ああ…外に出てはなそうか」
急いで支度を済ませて学校を出る。
それからしばらく話していたが、
ある程度話終えたところで、静かになった。
2人の足音が、寒い冬の誰もいない道路に響く。
「…なあ、赤司、明日の部活は休みだよな?」
今日は12月24日。
学校も終わり、明日は部活もない。
「ああ、そうだが」
答えると、緑間がなにかを言いたそうに、
でもなかなか言い出せずに、
口を開いては閉じている。
「…明日、今日の続きのミーティングをしないか?」
そう声をかけてみると、
「べ、別にいいのだよ。行ってやるのだよ」
と答えた。
それから待ち合わせ場所や時間を確認する。
付き合わせてしまったからと家まで送ってくれた
緑間に別れを告げ、部屋へ戻った。
…別に、下心があった訳じゃない。
そう自分に言い聞かせて、明日のことを考えた。


待ち合わせ場所は駅前。
お昼を一緒に食べることにしたので、
11:30に待ち合わせにした。
のだが、
「…早いな」
決して遅くきたわけではない。
むしろ、5分前についた僕は早い方だ。
しかし、緑間は先に来ていた。
「待っていたわけではないのだよ。
用事を済ませてから来ただけだ」
そううつむきながら言う緑間。
少し不思議に思いながらも、
「じゃあ、行こうか。
おすすめのカフェがあるんだ」
そう促した。


「おしゃれだな。よくくるのか?」
店に入って、緑間が呟いた。
「いや、あんまり来ないよ。
前一人で寄ってみたときに雰囲気が気に入ったんだ。
人と来るのは緑間ががはじめてだ」
そういうと、そうか、と少し嬉しげな返事が返ってくる。
それから席につき、ご飯を食べてから
昨日の続きのミーティングをした。


店に入ってから2時間ほど。
ようやくミーティングも終わり、
目的はなくなった。
「緑間、このあと予定あはるか?」
「いや?ないが…」
「そうか。もしよかったら、
買い物に付き合ってくれないか?」
「ふん。仕方ない、ついていってやろう」
それから、しばらく買い物を楽しんでいた。


買い物を一通り終えたとき、
外は真っ暗だった。
「…最近は特に時が過ぎるのが早い気がする」
「…そうだな」
2人で家路につく。
話すことはないが、どこか充実した雰囲気が
2人の間に漂っていた。
そうしているうちに、僕の家が見えてきた。
「…もう今日はお別れだな。
いろいろ付き合ってくれてありがとう」
「いや、俺も楽しかった」
赤司…と、前の口調とは違う、少し不安げな声で
僕の名前を呼んだ。
「なんだ?」
「…今日はクリスマスだからな。
プレゼントを…買ってきたのだよ」
そういって差し出された小包。
「……開けてもいいか?」
「ああ」
はやる気持ちを押さえて、丁寧に開ける。
「これは…」
中に入っていたのは、
赤色のマフラーだった。
しかも、よく見ると、
緑間が身に付けている緑のとお揃いだった。
「…このマフラーは暖かいからな……」
「ありがとう。…あったかい」
早速身につけてみた。自然と頬が緩む。
「喜んでもらえて良かったのだよ」
僕の顔をみて、緑間も微笑んだ。
「…僕からも、プレゼントがあるんだ」
そういって、今度は僕が差し出す。
「あ、開けるぞ」
「どうぞ」
小包が、彼のきれいな手で、指で、
丁寧に開けられていく。
「…暖かそうだな」
そう微笑む彼が持つのは、赤色の手袋。
「それ、僕とお揃いなんだ」
そういって、さっき買った緑色の手袋を出す。
「前に、手袋がほしいと言ったことを、
覚えていてくれたのだな」
そういってふわりと微笑む彼に、
また惹かれそうになる。
ああ、だめだ。抑えなくては。
「じゃあ、また明日。気を付けて帰れよ」
「…ああ」
寂しくても追えないのが辛かった。


緑間が帰ってから、部屋でくつろいでいた。
RRRRRR…
携帯の着信が突如鳴り響き、
画面を見ると緑間だった。
「もしもし?」
「赤司か?俺だが」
「あぁ。今日は楽しかったよ、ありがとう」
「いや、お礼を…言うのは、こちら、なのだよ」
「で、どうしたんだ?息が切れているようだが…」
「ああ、今お前の家の前にいるのだ」
「…なんでだ?忘れ物でもしたか?」
「…まあ、そんなとこだ。出てこれるか?」
「…ああ」
上着を羽織って、彼のもとへと急いだ。



「緑間」
「…赤司、急にすまない」
「いいや。それよりどうした」
緑間は、何かを迷っているように、
なかなか口を開かなかった。
そして、決心したように、
まっすぐな目で俺を見つめた。
「好きだ、赤司」
「え…?」
突然のことで、呆然となる僕を、
緑間は優しく抱きしめた。
「すまない、ほんとはこんなこと言うべきでは
ないのだろうが…
もう、抑えきれなかった」
すまない、忘れてくれ…
そうせつなげにいって、
僕のからだから腕をはずそうとする。
「…待て」
言いながらも、自分の行動に驚いていた。
まっすぐに緑間を見つめ、想いをさらけ出した。
「僕の想いは無視か?
僕がもし…真太郎のことが好きだといったら?」
「!?」
「僕も、好き、なんだ」
そういって、今度は自ら抱きつく。
「赤、司」
また、大きな腕で僕のからだが包まれた。
「好きだ、赤司」
「僕もだ」
緑間の顔を見ると、頬は少し赤く、緩んでいた。
きっと僕も、こうなって、
いや、これ以上になっているかもしれない、
とにかく、幸せだった。


赤司、好きだよ…
その言葉とともに落とされた
頬へのキスは、何よりも甘かった


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ひなです。クリスマス過ぎたけど、
クリスマス企画です、一応w
今回は、仲杉とコラボということで、
楽しみながら書きました。
赤司サイド、どうでしたか?
あんまりキャラつかめてなかった、かな?
まだまだですが、
楽しんでもらえたなら幸いです


では最後に、Merry Christmas☆
ひな




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あきゅろす。
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