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愛しすぎるが故に(緑高)



※高尾が若干病んでおります







高い放物線を描くボール。
それはリングにかすることなくネットをくぐる。
まるで精密機械のようなシュート。
本日も我がエース様は熱心に居残り練習。
すでに着替えを済ませ
体育館の隅で真ちゃんを待つ。
(あぁ……今日も真ちゃんは美人さんだな…)
長い睫毛、白い肌、滴る汗。
こんなステキな奴が俺の彼氏様だと思うと
嬉しくて、誇らしくてたまらない。
「しーんちゃんっ!まだ終わんないのー?」
早く一緒に帰りたくてついつい声をかけてしまった。
「……ちょうど終わろうと
思っていたところなのだよ。
それに、お前に話したいこともある…」
「え?なになにー?」
真ちゃんから俺に話を振ってくるなんて
珍しいこともあるんだなー。
「高尾……」
「ん、なぁに?真ちゃん」
「非常に言いづらいのだが……
もう、お前とは一緒にいられないのだよ」
え?
なに?今真ちゃん、なんて言った?
一緒に、いられない?
なんで?
「ちょ、ちょっと待ってよ真ちゃん。
冗談にしちゃキツイって〜」
「冗談じゃないのだよ」
確かに真ちゃんの目は
冗談を言っているようには見えない。
「な、なんで?なんで俺と
一緒にいられないの?」
「…俺がお前のしていることを
知らないとでも思ったのか?」
「っ……!」
俺は人には言えないようなことを
たくさんしてきた。
もちろん、それは真ちゃんのためであって……
俺と真ちゃんがずっと幸せに
いられるためにしてきたことなのに…
「……なんで?全部真ちゃんのためにしてきたんだよ?
ほら、真ちゃんに付きまとってたあの女。
最近見ないでしょ?
それも俺が……」
「もういい。もういいのだよ、高尾」
「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!
真ちゃんと別れるなんてありえない。
真ちゃんは俺といるのが幸せなんだ。
俺だけに愛されてればいいんだっ!!!!」
…そうだ、真ちゃんは俺だけに愛されてればいいんだ。
そして真ちゃんも俺だけを愛してくれればいいんだ。
ボロボロと大粒の涙がこぼれてくる。
お願い真ちゃん。
俺を捨てないで、お願い……!
「なにを言われても、
もうお前のことは愛せない。
高尾……お前の愛は重すぎる」
この言葉を最後に、
真ちゃんは体育館を後にした。
追いかけることはできた。
でも真ちゃんに「愛せない」と
言われたショックが大きく、
その一言で全ての気力を失った。
「………真ちゃん………
俺、分かんないよ……
全部真ちゃんのためにやってきたのに……
なんで、愛してくれないの……?」
あぁ………なんだかもう


全部どうでもいい。







【あとがき】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
仲杉です。
若干どころじゃないですね。
カンペキ病んでます。
病んでる高尾ちゃん大好きです。
もちろんどんな高尾ちゃんも大好きです。
ぶっちゃけ、高尾ちゃんはこんくらい病んでるのが丁度いいと思います。
それでわ、また次の作品で。





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