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エース様にご奉仕を(緑高)



「しーんちゃんっ!」
「なんだ」
「これ、着てみてよ!」
「断るのだよ」
むっと頬を膨らませてみる。
そんなオレを見た真ちゃんはフッと鼻で笑った。
たぶん、「そんな顔しても無駄なのだよ」
とか思ってんだろーな。
……そりゃそうだ。
オレが真ちゃんに差し出したのは
フリルがたくさんついたメイド服。
プライドの高い我がエース様が
着てくれるとは到底思えない。
「ぶー……真ちゃんのケチー」
「………そんなにオレに着てほしいのか?」
まるで着てくれるというふうにも取れる発言。
これはもしかして……♪
「うん!!真ちゃん、絶対似合うから!お願いっ!」
両手を合わせて懇願する。
真ちゃんの口元がフッと緩む。
次にその口で紡がれる言葉に期待を寄せる。
「ならば高尾。お前が着るのだよ」
「は?」
予期せぬ言葉に一瞬固まる。
「真ちゃん?今、なんつった?」
「聞こえなかったのか?
お前がその服を着ろ、と言ったのだよ」
な、なんで?
真ちゃんはちょいちょい理解を越える発言をするけど、
今のは流石のオレも戸惑う。
「大体、人にものを頼むのならば
まずは自分からするべきだろう」
「え?……えっと………は…?」
「だから、お前がその服を着たら、
オレも着るかどうか……
考えてやらんこともないのだよ」
お?つまりつまり……
オレがメイド服を着たら!
真ちゃんも!
着てくれると!
「おっけー、真ちゃんっ!
ちゃーんと考えてくれよ?」
「あぁ、それより早く着るのだよ、高尾」
「仰せのままに〜」





数分後。





着替え終わったオレは
ものすごーく悩んでいた。
(着てみたはいいけど……やっぱ恥ずかし…っ)
真ちゃんだけに着てもらうつもりだったから、
ゴッテゴテに甘いのを選んでしまったのが間違いだった。
(くそ〜…スカートも短いっ!見える!)
でもここで引いたら真ちゃんが着てくれない。
……よしっ!
覚悟?を決め、
真ちゃんが待つ部屋へと足を踏み入れた。
「し、真ちゃんお待たせー」

……………………………………。

なななな、なんだこの沈黙は!!
オレのことを黙ってじっと見つめている真ちゃん。
その視線から逃れたくても逃れられないオレ。
どうしよう、どうしようと
悩んでいると真ちゃんが口を開いた。
「高尾………」
「ん?……ぅわっ!」
突如腕を掴まれベッドに押し倒され、
オレの上に跨ってきた。
「ちょっ、真ちゃん!?」
「高尾、似合いすぎなのだよ…だが……」
ぐいっと真ちゃんの顔が近付いてきたかと思うと、
そのままキス。
油断してたから、簡単に口内に舌が入ってきた。
「……ん、ふぁ………っ!?」
真ちゃんの綺麗な指が
短いスカートで剥き出しになっている
オレの太ももをスッとなぞる。
「油断しすぎだ」
低い声で耳元で囁かれると、
自分でも分かるくらいに顔が紅くなる。
「さて、せっかくのメイドだ。
存分に奉仕してもらうぞ、高尾」
「っ……真ちゃんのいぢわる…」

そうして、甘い時間は流れていった。







【あとがき】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
仲杉です。
とりあえず、高尾ちゃんにメイド服を着てもらいたかっただけです。
今回、2人のキャッキャウフフな場面は9割カットです☆
いつかは最後まで書いてみたいです。
めっちゃ恥ずかしいけど。
ちなみに、結局真ちゃんはメイド服を着ません。
「オレは考えると言っただけで、着るとは言ってないのだよ」という理由です。
高尾ちゃんどんまい。




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