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ご褒美(紫赤)



耳元で響く、無機質な音。
それが、どうしてこんなに愛おしく、
待ち遠しいのか。
ふいに、コールが切れる。
「…もしもし」
「もしもし、赤ちん?久しぶり」
「敦か。そう久しぶりでもないと思うが」
えへへ、と曖昧に笑う。
俺には、一日だって、一時間だって、
久しぶりに思えてしまうのに。
やっぱり、違うのかな。
少し寂しくなる。
「ところで、突然電話なんて、どうした?」
少し不思議そうな君。
「…ねえ、最近、俺頑張ってると思うんだ」
唐突な切り出しに、向こう側で少し黙る君。
「確かに、いろいろ噂を聞いているよ」
それで?
言おうかどうか、少し躊躇する。
「…ご褒美、ちょうだい」
少し恥ずかしく、自然と声も小さくなる。
何でだろうな。
「…ふふっ」
「ちょ、なんで笑ってんのさ」
ちょっとムッとなってしまう。
「いやいや、敦は相変わらずだなって思っただけだよ」
「なにそれ」
俺も少しは変わったと思うんだけど。
「気を害してしまったなら謝るよ。
それで、ご褒美は何がいい?」
まだ笑い続けてはいるが、
優しげな口調。
それにまた惹かれてしまう。
「今度一緒にスイーツ巡りして。」
それでも、少し機嫌を損ねた声で言ってみる。
「いいよ。だから、機嫌直して」
まだ笑いを含んではいるが、
許してしまう。
「別にいいよ。絶対、絶対だかんね」
ああ、絶対だ。
その言葉は、短かったけど、
力強かった。
絶対。その言葉が、確実なものと思える。
無機質な音を発するケータイに、
残っているような君の温度。


さあ、約束はいつにしようか。
次の約束はいつ取り付けようか。


__________________

またまた来ました、ひなです。
この話、SSと言いながら、
まだ続くかも。
デートの話、赤司君サイド、
どっちが美味しいかな?


またリクエストとかも聞くので(CPなど)、
Twitterなどで話しかけてやってください(笑)





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