〜神話[〜 エルモアデン帝国 宗教革命
エルフ達と同盟を組んでいた頃、ヒューマン種族内にも原始的な国家が作られていた。
やがてヒューマンがエルフたちを森の奥へ追いやった後、その国家は魔法を習得したエティナ部族の長、シュナイマンを中心に規模を拡大していく。
彼はエルフの女王ベオラに協力を申し出たヒューマンの子孫にあたる者であった。
エルモア地域とアデン地域を統一し、そこに国家を設立した彼等は、この帝国をエルモアデン帝国と呼ぶ。
そしてシュナイマンは、自らを初代皇帝と称すると、有力者達を集めて即位式を行った。
その時、奇跡が起きた。天界から6つの翼を持ち、聖なる炎に包まれた天使が舞い降りたのだ。
その少女の姿をした天使は、アインハザードからの使者であることを告げ、アナキムと名乗る。
少女はシュナイマンに自らの血を分け与えると、彼の額に口づけをして光の権能を伝える資格を与えた。
これにより、彼は強力な魔力と老いぬ肉体を手に入れたのだ。
この時、アインハザードが地上への干渉を理由は、地上にはびこる魔物を排除し秩序ある世界を作り上げてくれることを期待したからだ。
『シーレンの化身』とよばれる魔物達の存在は、アインハザードにとっては未だ忌むべきものであり、神々の戦争から時代が変わっても、今だシーレンに対する怒りが覚めていなかったためである。
こうして大陸をおさめた皇帝シュナイマンであったが、彼には最大の悩みがあった。それは、自分達の創造主が闇と破壊の神グランカインであることだ。
この真実を他種族に嘲笑われることを恐れた彼は、新しい神話を作り上げる。ヒューマンの創造主はグランカインではなく、アインハザードであるという宗教改革をしたのだ。彼はアインハザード以外の神を崇める宗教、すなわち、グランカインやシーレンを主神とする信仰はすべて異端者とみなした。これが、アインハザード教団の原型である。
彼はアナキムから授かった奇跡の力で、異端者たちを次々に処刑していった。
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