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〜神話Z〜 ヒューマンの裏切り
 こうして長い戦いに疲弊しきっていたエルフ達の前に、思いもよらぬ反乱の刃が向けれる。それは、ともに戦いオーク族を退けた仲間であるはずのヒューマン達だった。

 長きにわたり奴隷として扱われてきた彼等は、魔法という力を得て勢いづき、事前に反乱の準備を進めていたのだ。完全にヒューマン種族を見下していたエルフ達は過去の過ちに気付くものの、もはや彼らを鎮圧する余力はなく、故郷である森へと後退させられる。地下要塞を拠点に抵抗を続けるも、それも三か月程度と持たなかった。

 この時、ヒューマン種族に傭兵として雇われた種族がいた。オークである。
 かつてエルフ達から逃れる際、支配層にあった『ノーブルオーク』の一部族は離脱して城に立て篭もった。この一部の部族は自分達の拠点に最後の一人になるまでまで戦うものの、彼らの都市は完全に破壊されてしまう。立て篭もったこの4部族は絶滅したといわれていたが、実は彼らの城が落城する直前『銀の天秤』ギルドのドワーフ達の助けによって一部が脱出に成功していたのだ。
 そして地下へ潜伏し、力を蓄えた彼等はヒューマンの傭兵として戦闘に参加し、かつて彼らがしたように一人残らずエルフを虐殺したという。
 この時、逃げだした部族と戦いぬいた部族を区別するために自らを『スペルビアオーク』と名乗り、お互いを蔑み合うこととなる。

 敗者となったエルフ達はさらに森の奥へと逃げ去り、周辺一帯に強力な結界を張って外界との接触を遮断した。かくして、劣等種族といわれてきたヒューマン種族が、大陸の支配権を手にしたのである。

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