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捧&頂&企
いつか視界を埋め尽くす 

 いっそ美しささえ感じる白と黒。
 時に彩りを添える鮮血の朱。
 深淵のモノクロと錆臭い赤で出来たモノ。
 それが、俺の世界だった。



 今でも記憶に刻まれた、アイツの馬鹿面やダメっぷり。思い出すつもりが無いのに突然始まる、もう会えない奴との駆け引きの光景。それは過去に縋る俺の弱さから来る白昼夢だろうか。


『ねぇ、あっちは春だよね』

 無邪気に頬杖を着いて紙をペラペラと摘む。仕事に飽きたんであろう姿は、成人男性には見えない。

『あっちって日本か?』

 室内にいた俺は眉をひそめて問い返す。
 言った瞬間に懐かしそうに目を細める姿は、とうていマフィアのボスには見えなかった。(下手したら未だ学生に間違えられる)

『いいよねぇ、春って』

『そうか?まあ、日本は四季が綺麗だからな』

『やっぱり桜だと思うんだ、俺は』

 うっとり現実逃避し始めた元教え子の頭を軽く叩いた。こいつ、何気に仕事サボってやがる。

『もちろん、夏も好きだし秋も冬もいい』

 『あんま見た事ないけど、どんな季節でも色彩が輝いてるんだよ』と微笑むツナは生き生きしていた。

『春は、桜が綺麗。薄紅の花嵐は凄いんだよ。きめ細かい複雑で繊細な白なんだ。』

 ツナは書類にサインしながら恍惚と語った。ちゃんと内容を読んでるんだろうな、と俺は訝しみながら聞いていた。

『夏は、空がね、すっごい澄んでるんだ。熱いし、じめじめするんだけど、目がチカチカするくらいに鮮やかなんだよ』

『秋はね、深い朱があるんだ。色んな朱があって、食べ物が美味しくて。紅葉とか、イチョウとか、深いんだよ』

『そんで、やっぱり雪は迫力だと思うよ。取り込まれそうになるくらいに純白で。あ、覚えてる?随分前にみんなで雪合戦したじゃん。楽しかったな』

『この仕事が片付いたら、また皆で真っ白になるまで遊ぼうな、リボーン』

 そう笑うツナが、世界のどんなモノより鮮やかだった。

 今生きている世界の、彩りの美しさを教えてくれたのはお前だったのに。俺を残して白に消えたダメツナ。
 お前がくれた極彩色の世界は、孤独になった俺を責める。ツナを失った空虚をえぐる。
 そんな鮮やかな絶望の中で、気が狂うくらいに泣いた。


 いつか視界を埋めくす

 流れた涙さえ、お前が与えた極彩色に染まる。




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 私の日本語力の無さが分かる作品です。




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