パラレル 秘め事 俺には、気になる男の子がいます。 その言葉のシュールさに我ながら溜め息が出た。ここに、相手が12歳で俺が16歳です。と付け足したら完成だ。 「お、ツナおかえり。遅かったな」 「うん。ただいま。」 「邪魔してるぜ、コラ!」 「…ああ、うん。ゆっくりしていってね」 その子は弟の友達で、コロネロ君と言います。外国人ですが、日本語ぺらぺらです。(あ、でも語尾が変) かっこいい子だと思う。俺の弟のリボーンもかなりの美少年だけど、コロネロ君も負けていない。 「…でもおかしいよな。ときめくとかさ」 鞄を投げ出してベットにダイブした。一気に体の力が抜ける。 かっこいい男の子なんて、俺の周りにたくさんいる。コロネロ君みたいに子供じゃない、同い年の友達。でも、ドキドキした事なんてない。ていうか、男友達相手にドキドキしたらそれはそれで悩むのだが。 「変だ」 でも、コロネロ君への想いは変わらない。 「…いやいやいや!想いってなんだ俺!」 それって俺が彼の事を好きみたいじゃないか!LOVEの意味で! そうだとしたら変態じゃないか!相手は四歳下といっても12歳だぞ。ロリコン、いやショタコンか。 「有り得ないよ。」 じゃあなんなんだろ。こうしてコロネロ君の事ばかり考えてる俺って。 目を閉じても浮かぶのは綺麗な金髪。キラキラとしたその一本一本まで細かく。そして澄んだ青い瞳に豪快な笑い方。 男同士だ。年の差もある。 向こうにしてみれば俺は『友達のお兄さん』とかだ。最悪、『空気みたいな奴』。 いつかあの子はリボーンと別れるかもしれない。だって、まだ子供なのだから。俺以上に子供なんだから。 このまま終わる。俺が告げなければ、コロネロ君の中の俺はいつか薄れ、消える。 それでいいじゃないか。いや、それの何処がいけないのだろうか。 「…こんなに悩むの、久しぶりだ…」 しかも恋になんて。 秘め事 「どうした、コロネロ」 「ん、いや」 コロネロは綱吉が消えた階段を見つめた。不思議がるリボーンを尻目にしばらく黙りこんだ。 「ほら、行くぞ」 「ああ」 やっぱりリボーンの兄貴って可愛いな、とコロネロは呟いた。 // なんだこの不消化具合 [戻る] |