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原作
君にまどろむ。(ツナ京)捏造未来


 ああ、彼女の笑い声がする。

 それは有り得ない事だったが、確かに彼女の声だった。

 俺は振り返った。
 振り返って初めて、声は後ろから聞こえていたのだと気付いた。
 どうしたのだろう。頭がぼんやりする。

 彼女は、泣いていた。

 泣きながら笑い、瞳からは涙が溢れ、口元は笑っていた。綺麗な茶髪と透明な滴は美しく光っている。
 俺は、彼女はそういった癖があった事を思い出した。
 幸せ過ぎると涙が出るし、悲し過ぎると笑わなければと思ってしまう。
 「変な癖だよね」と幸せそうに笑った彼女。俺は、その温かな微笑みが好きだった。守りたいと、思ったのだ。

 その姿を見て、やっと、彼女の面影が重なる。
確かに、それは彼女だった。

いつの間にか彼女は泣き止み、俺をじっと見ていた。

「京子・・・・・・?」

俺は思い切って呼んでみた。

「なぁに?」と、彼女は笑った。もう笑っても、泣かないのかと思った。

「京子」

もう一度呼んでみた。
彼女が答えるように微笑むのを見て、俺は目覚めた。

 どうやら、さっきのは夢だったらしい。
 書類を見ているうちに寝たらしく、紙がくしゃくしゃになっていた。後で獄寺君に謝んなきゃな。


「京子」

 ふと、彼女を呼んでみた。
 だけど、今度は答えてくれる愛しい人はいない。

 いないのだ。


 代わりにドアをノックする音が響く。
 
「失礼します。獄寺ですが、さっきの・・・・え・・・・な、なんかあったんすかっ十代目!!!」

 何故かいつも冷静な彼が慌てている。心配かけてるな。ごめん。

「獄寺君、俺ね、京子ちゃんに会えたんだ」

 言ってから、自分が泣きながら笑っていることに気付いた。





なんなんだろう・・・・これ。
京子ちゃんに死亡フラグ立てちゃったよ・・・・


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あきゅろす。
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