原作
小話3(山→つな)
MEMOにて気まぐれに書く、小話達。
自己満足&その時のブームが現れる作品達。(笑)
山本⇒ツナ
『青春確信定理説』
ツナ、と呟き呼ぶと、ちゃんと聞こえていたようで、ツナはプリントを見ながらも「なに?」と答えた。
夕焼け色に染まる教室に、ツナと二人。義務付けられた居残り、出された数学のプリントはどうでもよくて、俺は暇さえあればツナを見る。
本人はあまり好きではないらしいくせっ毛は柔らかそうで、先程から風も無いのにふわふわと揺れている。色素が薄いそれは窓ごしの夕日に染まって、なんていうか、綺麗だった。
あまり表現力がないから言葉が見つからなくて、なんだか、もどかしいけれど。
でも、いくら見ても飽きないくらい、向かい合うツナは綺麗だった。
「・・・・・なに?山本」
ようやく視線に気付いたらしい本人が、少しきょとんとしながら黙り込む俺を見つめてきた。
夕暮れとツナの琥珀混じりとが合わさって、瞳が金茶に光った。逆に、制服が真っ白で眩しい。
まるで、ツナが別世界にいる人みたいだった。
それぐらいツナは人に対しての吸引力を持っている気がしたのだ。
ざわざわと心が擦れる音がする。これは俺の感情が暴走をする気配。
大事な親友に突然、どうしたのだろう。
・・・・・・・あ
好きなのか、俺。
さっきから百面相をしている親友に、ツナは首を捻るばかりだった。
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