[携帯モード] [URL送信]
SadisticBoy...@


回りのざわめきを気にする事が無くなるほどに、白きbaphometは一人の少年を見た瞬間に、音は消えて、そこだけが異世界であるように思えた。
夢中になる彼に対して、その兄である紅蓮(ぐれん)は眼を細ませて、言葉を綴ってゆく。

「生まれながらのSadisticの血を引くもの…その名を刻まれた訳は確か、生まれた時、Rome(ろめ)が手にしていたものは針だったとか。母親に顔を合わせたときの笑みは、それは母親へと恐怖心を植え付けた物だと言う(って、こんな餓鬼に、こんな話するようなもんじゃねぇよな。)」

「それで?」

返答をさらりと返す白蓮(はくれん)に、対して、ああ、ただの餓鬼じゃなかったと、後で気付き、溜息混じりに、再び話は流れ出して行く。

「母親はRomeを見る度に震え上がった、精神科へとのち、通うようになるだろう。逆に父親は、Romeに深く愛情を注ぎ込んだ。噂では、Romeの手により調教されたとも聞いているがどうな…」

「逆じゃねぇ…?」

「ちょっ、白、まずは睡蓮兄っ…」

つかつかと、そのRomeのいる方へと近づいて行く白蓮に、紅蓮は思わず青ざめた。言葉を大きく出し、慌てて口を押さえて、口篭らせた。
此処でのルールが破られないように。
手で追いかけようとするものの、溜息一つ吐かせれば、そのまま、何も無かったようについて行く。
その様子を黒蓮(こくれん)が見つめて、手元に居なくなった白蓮の変わりに、紅蓮の手を握り締めた。

「紅蓮、白は、そのRomeって子、好きになったのかな」

「…かもな、一目惚れってやつ?…って、んな事言ってらんねっ」

分かりやすいからな、と付け足す余裕は無く、少し寂しげな眼になる黒蓮の頭を優しく撫でれば、また溜息をし、白蓮を追い掛けた。

「…Sadisticの血を引き継ぐ者…ねぇ」

「……」

白蓮よりも、2、3は歳下であろうか。まだ、あどけない、顔をしている少年に、ニッコリと笑みを向ければ、対する彼は、眼を細ませ、冷や汗を一つ零した。

そしてもう一人、Romeに似た白銀混じりの白髪男がこちらを見て、ゆっくりと白蓮の頬に手を下すと、顎を持ち上げ、笑みを含ませ、まじまじと眺めた。

「珍しい獲物が掛かったようだね、Rome?」




−next




NEXT→

1/7ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!