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baphomet...E

「ん、で、二人でこんな所で何してる訳?」


腕を組みながら、地べたに胡座をかきながら、座り込み、双子へと交互に眼をやれば、首を左右に動かせて、パキポキと音を立たせる。黒蓮(こくれん)はまだ、眠たそうな表情で、白蓮(はくれん)へと凭れかかり、眼をしばしばとさせている。

「兄貴の色っぽい声、聞きに来ただけ」

「………」

白蓮もまた、黒蓮の眠たそうな顔を見つめていれば、シンクロをしてしまい、眼が細まって行くだろう。
そんな様子を、紅蓮(ぐれん)が、面白そうに眺めており、一度舌を出して、笑みを向けた。その表情を見れば、何か 面白い事があると分かる二人は、同時に言葉を発した。

『癖、出てるよ。面白いことでもあったの?』

「まーな」

二人が同時に発する事は多々ある事、サラリと返事を返せば、手を地べたに付かせて起き上がり、手をパンパンと叩かせて、再び腕を組む紅蓮。その様子を双子は同じように眺めて、同時に立ち上がる。

『連れていってくれるんでしょ?』

「いいぜ、だけどその前に、睡蓮(すいれん)兄貴に会ってからな」

『うん』

扉が開かれた、黒蓮は、白蓮の手を強く握り締めて、その扉の中を見ないように眼を閉ざした。片手は片耳を押さえ、出来るだけ、回りの声を聞かないように。
そんな黒蓮に対して、白蓮は、ため息一つし、扉の中の世界をまじまじと眺めている。「(何だ、思った以上に、普通の……)」言葉を途切れさせる前に眼にした者、それは、出会いの始まりだったのかも知れない。

「なあ、あいつ…」

今までに無い興味や興奮が、胸を熱くさせるだろう。真っ白な頬から浮かび上がる、優しい苺色の頬紅を隠せれずにいた。
その様子に、紅蓮は、視線の元へと追い掛け、相手を見ると、ニヤリと笑みを向けるだろう。

「…SadisticBoy…Rome様ねぇー…」



=baphomet END…next →SadisticBoy




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あきゅろす。
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