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baphomet...C


豪華な扉が眼の前に現れた。そこは、先程まで耳を傾けた扉だ。ガタガタと手を繋いだ一人は震えて、首を横に振った。
仮面の者は、その一人を見つめて、首を傾げる。

「まぁ、君達にとっては、ちょっと早い場所かも知れないね」

手を離され、一人は体を抱え込み、ガタガタと震えを落ち着かせようとするだろう。しかし、震えは落ち着く事を知らないまま、視界が真っ暗闇へと鎖された。

…ぃ、 い … や っ … 、 … !…、
!!???ふっ…!…ぐっぅ…っ

…!!…

… …ぅ…… …

口元押さえられ、甘い香りに脳は支配される。睡眠薬と呼ばれる一種であろう。抱えた力は弱まり、視界がぼやけて行く。
体は床を求めるように、倒れ込み、口端から透明の蜜を零す。
その表情を見つめて、仮面の者は肩を震わせながら笑みを浮かべて、慣れた手つきで一人の着物を肌けさせて行く。
肌の白さに、ゴクリと唾を飲み込めば、顔を近付けて行き、舌を這わせようとした瞬間、片腕が軽くなり振り返ると、そこには小刀を両手で構える、もう一人が見えた。
瞳に光は無く、まだ意識が朦朧としているのであろうか。しかし、鋭き眼をしているのは確かであり、その姿にもまた、仮面の者は、喉を鳴かせ、身震いをした。

「君達は知らないだろうけど、蓮一族と言うのはね、触れられない程の一流の存在に値するんだよ…フフ、こうも、フェロモンが流れていたら、興奮せずにはいら…」

「…一族か何か知らねえが、さっさと俺等の前から消えて、右手と宜しくしでもしてろ、馬ー鹿」

仮面の者が言葉を発する途中には、小刀を首元へと突き付けて、チロリと舌を出し、大きく言葉を吐き出せば、皮膚に傷を付けさせて、細い赤色の線を縦に落とさせる。
口調は淡々と発してはいるものの、まだ光は戻らない。

「…そうか、此処にいる連中ってのは、この程度じゃあ、満足出来ねえよな?」

「お前、びびって…崩れていたのではな」

「あ、嗚呼、あれ?…っアッハハ、兄貴の美声に聞き惚れてただけだ」

ニヤリと笑みを浮かべた瞬間、更に奥へと小刀は入り込む。片手を小刀から外して行けば、自分の着物をだらし無く、肩からずらしながら、相手の胸元を撫でて、顔を近づけば、深い吐息を聞かせてやる。

「兄貴って、お、まえ…」

「今日は、白龍の兄さんと、ヤるって耳に挟んだから、どうしても、外出許可が欲しかったんだよね、あの兄さんも、綺麗だろ?睡蓮兄貴と絡めば、どうなるんだろうなってな?」

とても、7つ程の歳の子が吐き出す台詞では無いと、仮面の者は、冷や汗を落とし、先ずは、相手の持つ小刀をどうにかしようと考える瞬間には、片足が、仮面の者の中心部へと下され、やわやわと踏み付けている。

… ぁ は、 ぁ …

「あー、あ、黒(こく)のお蔭で、聞きそびれたよ、大体、黒は、臆病過ぎるんだよな、虫一匹、殺せれねー馬鹿だし、ま、そこが、、、」


ぶつぶつと言葉を垂れ流しに出して行く一人に対して、仮面の者は、隙が見える瞬間を伺っていた。しかし、ニッコリと微笑んだ彼を次には見ているだろう。それは、一人の1番嫌う事を、彼はおかしたから。






「なあ、ちゃんと俺の話、聞いてた?」



柘榴色の雨が 降り注いだ。 真っ白な髪が柘榴と掛け合わせ苺色に変わった時だった、この色は嫌いだと、髪を指で巻き取りながら呟けば、倒れている一人に近づき、しゃがみ込む。

「まだ、ゲームは始まったばかりだろ?」


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