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strategy meeting-5
学校に向かい、靴箱を開けたその時だった。大量の紙屑が零れる落ちる。よく見れば、この靴箱は、自分の場所では無くて、誰かの靴箱だった。随分と間を空けてしまった登校のため、場所移動したようだ。自分の名前を探しながら、落ちた大量の紙屑を拾う。紙屑かと思っていたが、よく見ると手紙のような物だ。色んなシールやデコレーションした物もあれば、シンプルな物も見つけられる。一体、誰からの手紙何だろう?と首を傾げながら拾う。そうしている時に、自分に微かな影が移る。靴箱を背に、スヤスヤと眠っている少年のような者を目にした。金髪と言うよりは、ミルクティ色のしたくせ毛掛かりの長髪で、幼い顔をしている。覗き込み、名札を目にすれば、どこかで見た事のある名前。

「白鈴 ひより…」

手に持っていた大量の手紙に次は目をする。そう、この手紙の主の名前だ。しかし、こんな所で眠っているだなんて、可笑しい話だ。それに、この手紙が何なのかも気になる所。パサリと手紙を、白鈴の頭上から、ヒラヒラと落とす。すると、ゆっくりと目を開かせて、手紙を一枚拾う。マイペースなのか、Romeの方へと見る事も無く、言葉に出す第一声。

「人のロッカー開けて、さらにばらまくだなんて、あまり感心しないよ」

「…見ていたのですか」

無言のまま、白鈴は、手紙を開けた。手紙を読みながら、再び眠たそうな目になり、うとうとと始める。その様子に、変な人だと、その場を後にしようとする。しかし、白鈴が、Romeのズボン端を、しっかりと握っている。

「離して貰えませんか」

「間違った事をしたら“ごめんなさい”」

「…聞こえませんでしたか?」

何時もなら、次に出す言葉には皆、引いてしまう物だ。しかし、白鈴は離す事無く、Romeを自分に引き寄せて来る。態勢が緩み、崩れる。グツと下顎を掴まれて、眠たそうな瞳と目が合う。紫陽花色のした、優しい色合い。思わず黙ってしまい、白鈴を払いのけようと押す。それには白鈴も、倒されてしまい。はぁーっと溜息を吐き出す。

「マナーが成ってない。それでいて、とても、世間体を知らない。まるで子供のようだな」

キッパリと寝転び、天井を見ながら言う白鈴に、制服を整えながら、勢いよく白鈴の腹に、踏み付けようとする。それには、空かさず横に避けて、一気に体を起こそうとした反動で、後ろに回転を加えて飛ぶ。その行動をしていなければ、Romeの足が、腹に入っていただろう。

「躾が全く成っていない。此処の制服と、バッチを見る限り、成績優秀で頭は良いと思う。それに…」

片手で手帳をRomeに見せる。これはRomeの生徒手帳だ。何時、白鈴の手に渡ったのか分からない。思わず苦笑をし、絶句してしまう。

「学年1、いや、この学校1の成績を持つ人だね。」

「…お喋りですね」

「前から気になっていたんだ、どんな人何だろうってな」

「…」

「まさか、暴力するような人には思っていなかっ…何処行くの?」

何も言わずに、足を進ませ、学校に入るのでは無く、帰り道に進んでいった。軽い、音の無い物が目の前に現れる。後ろにいる筈の、白鈴が目の前にいるのだ。まるで鳥のように素早く、それでいて煩く無いのが不思議な気持ちにさせる。

「他に何か?」

「Mtgmdapt5wmj8hmtjp3wadm…」

「…!」

「調べに来たんじゃないの?」

初対面である相手に対して、自分が調べたかった物を、口に出した覚えは無い。ただ、一回だけ、研究所で口に出した事は覚えている。盗み聞きをしたとあれば、自分を調べている刺客か?とまで浮かび、これは危ないと一歩足を下げる。

「凄い警戒だな、俺が怖いの?」

「…僕に何か用ですか?」

張り詰めた空気を発している。壊したのは、先生達だった。二人を連れて行き、指導を受ける物の、二人とも聞く耳を持っていない。言い訳をする訳でも無く、ただ、部屋の菓子と紅茶を飲んでいる。一つ分かった事は、白鈴ひより は、Romeと同じぐらいの優秀な知能を持っている事。その二人が不穏な空気をただよせていれば、先生であれとも驚いてはいない。解散すれば、Romeは科学室に向かうだろう。そして、白鈴もまた、科学室に向かう。

「まだ、何かあるのですか?」

「Mtgmdapt5wmj8hmtjp3wadm…でしょ」

「自分で調べますので…それより」

引っ掛かる事を、そのまま逃がす事も出来ないと思ってなのか、あまり不向きでは無いが、質問を白鈴に出す。

「何故僕が、「Mtgmdapt5wmj8hmtjp3wadm」について、調べに来たと知っているのです」

ストレートに珍しく質問する。答えてくれる保証は無い。しかし、研究所に対しては、あらゆる外的を阻止する為に、頑丈なシステムを組み上げた物だ。それを、糸もたやすく抜けられた事に、どうも引っ掛かる。

「無いね、アンタの家知らないし」

次には、言っても無い気持ちを読み取られてしまう。…横切る何かに、信じられないと疑う。しかし、それしか浮かび上がらないとあらば。そう考えている間に、彼が答えてしまった。

「そう、生れつき俺は、エスパーを使う事が出来る。人の心の中の声か聞こえる」

「っ…」

「気持ち悪いなら、そう言ってくれて構わないさ。」

「…」

「知りたくなくても入ってくるのさ。御蔭で、テストも満点合格。しかし、アンタの頭の中ってのは、随分と可笑しくてね…一回、会ってみたいと思ってた。」

「刺客では無いのですね」

「さっきから気にしてるみたいだな。」

「…」


これが、ひより との出会いの始まりでした。この日から学校へ毎日通い、彼と科学の発展をして行く。挙げ句の果てには、教授となり、教える側の存在に成ったとか。もう少し先の話とすれば、夢に一目惚れをし、この研究所で、僕の調べ事「マテマリット」について、一緒に考えてくれるパートナーと成りました。超能力が使える彼と言うのは、少々厄介ではありましたが、夢との繋がりで、現実に居る空間では、殆ど存在しない彼であるが故に、落ち着いてはいるが。…何を考えているのか、分からない時が多々あるのが面倒と云う所でしょうか。

そして現在。彼は目を覚ませた状態で、「夢」の世界の住人では無い。Lunaticの力による能力で、頭に蓮の華を咲かせて、今、こうやって、「蓮戦争」の作戦を練っている。しかし、こう成った場合、夢の能力がどうなるのかと気になる所。

過去、月(ゆえ)のドッペルを作る為、Siaを使う事無く、水分と象りだけの人物を作る事に成功しました。月に似た、星(せい)を生み出す事が出来ました。同じSiaの分身とあらば、夢の力とシンクロが出来るのでは無いかと僕は考えていました。
夢の能力に気付いたのは、僕の「夢」に夢が現れ、会話が成立し、目覚めた時にも、その会話が成立している事から分かった事です。Siaとは「夢幻」と呼ばれる力を持っているらしく、光ある「夢」に、餌(悪夢)を求めて食すと、本に書かれていました。それを役立てようと、夢自身の影響は無く、誰かを「夢」の世界に侵入させれば、夢の睡魔(リバウンド)を防げると思っていましたからね。そこで星を使った所、相性が悪く、声のみの能力と変わり、現実には、言葉の話せぬ子となり、夢の世界のみ、星の声が聞こえる結果に。その後、皆様が察しの通り、ひより を使う事に成功しました。

「Rome、何かボーっとしてるけど」

「あ、…いえ」

「……何とかなるって」

「あ…」

「あー、今、心読んだって思っただろ?」

「…」

「読んでないよ」

「え?」

「読めなく、なってる…」




- Next 10/06/30 更新

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