[携帯モード] [URL送信]
Angel-1

細く美しい三日月の光に導かれ、その眩ゆい光に恋をしたバンパイアの話をご存知ですか?

突然、何を言うんだと言うように、白蓮は、Romeへと眼をやりながら、煙管の煙りをフー…っと吐き出した。夢は黙ったまま、相変わらず眠っている、ひより をおぶって、聞き耳は立てている。片手を差出、満月の見える月の姿に指をグルグルと描かせて、微笑ましく眺めるRomeに、微かな苦味を少々味わう白蓮。その表情には、クスっと 笑ってやり、ピタリと指を止めた。

その月の正体は、天使だったのですけどね。

…ぁ…?

余計に意味が分からないと、言う表情を見せた白蓮に、思わず口を押さえて笑うRome。「失礼」と口にした後には、物語を語るように続けて行くだろう。

バンパイアの名前はNoir(ノワール)フランス語で黒と言う意味らしいです。 果たして、その名前は、源氏名なのか否なかは分かりません。何て言っても、彼はバンパイア、永遠と言う、長い月日を生き行く者ですからね、いくつもの名前があっても 可笑しくは無いでしょう?その天使と出会った時に告げた名前はNoirであった と言う事を意味します

なぁ、前置きは良いから、さっさと話せよ

おや、この話に興味があるのですか?

…(あんだけ、話したそうな口振り出しといて、こっちに興味とは良い度胸してんじゃねーのか、この…)羊…

聞きたいですね

白蓮の言葉をシャットダウンさせたのは夢だった。その言葉と名前を呼ぶ交差に、クスクスと笑みを浮かばせるRome。白蓮は夢へと眼を向けて、ギロリと見る物の、夢は、ゆっくりと 頷き、白蓮の耳元にポツリと呟く「実は私、この話を聞くのは、初めてじゃ無いのですよ」そう告げた夢に「はぁ!?」っと声を出してしまう。そんな白蓮へまた、ポンポンと肩を叩いて、意味深に次には言葉を出した「だけど、この話には、いくつものルートが有りましてね。私は、その謎解きをして、楽しんでいるのですよ」そう言われた後に、アホらしい、と言うかのような顔を見せた白蓮の顔は明かである。

続けて下さいRome様

すぅ…っと眼を細ませて、続くストーリー。これが 今回の話しを進ませる鍵と成っている。観覧者の貴方も、本日はRomeの 語りべをお楽しみをあれ。具現されるのは、毎度の事ですが。

今から、何百年と言う時を重ねた時の話です。一人の天使が佇み、一人の茶会を楽しもうとしていました。その光景を眼にしたNoirと言うバンパイアが、茶会の参加を心から望みました。天使は快く受けたのですが、Noirは、その天使にちょっかいを掛けてしまったのです。その事から、天使は、'やはり 闇と光との交遊は出来ない'と 言いました。そこから、二人の戦いへとなるのですが。非常に卑猥な物でしてね。バンパイアは、天使に手を出したのですよ。

あっはは、闇属らしいんじゃねーの?

天使は、汚らわしいと、Noirに言葉を発する物の、そのバンパイアに触れられた場所は乱れて行く訳です。クス… 私とすれば、天使とて生き物、そのバンパイアの手により、汚れ、溺れ散ったと言う事は確かな事ではありませんか。だとすれば、この二人は、同じような線だと思う訳です。僕としてみれば、の話ですが。

で、

しかし、ちょっかいを掛けただけだったのでしょうか。Noirは、何時しか、天使に掛ける言葉が、真剣身の入る物へと変わって行くのです。言わば、口説きと言うのですかね

……

天使は決して、その言葉に翻弄される事はありませんでした。光の牙を見せて、相手が最も弱い物を浴びせている訳です。




えぇ、闇なんて物は、消えて当然だと思っていましたので…無くなってしまえば良いと、当時の私は思っていました。

!! …

気配が感じ取れなかった。そして、透き通るような声が、Romeの背後から聞こえて、Romeの両頬へと優しく細い手が触れた。その手に被すようにRomeも優しくその手を撫でて、その者の名前を呼ぶだろう。

天使の名前はluna-tic(ルナティック)、Noirが与えた名前でもあるのです

与えた?は?…嗚呼、っか、何でも良い、Lunaって人、アンタ 今まで何処にいたんだ?それから、俺の後ろにいるコイツは誰だ

Noirですよ、バンパイアです。

…そんな事はどーでも良い、髪触るんじゃねぇよ!

(誰だと申したのは、貴方(白蓮)でしょう…)


振り返り際に、扇子をピシャリと開ければ、勢いよく、Noirへと突き出そうとする。しかし、Noirの姿は、もうそこにはいない。辺りを見渡しても、姿が見えない。その様子を見て、Lunaは、微かな溜息を吐き出した。

クク… 綺麗な髪をしていたものだからな、つい

は… 何処にいやがる!

気配を察っそうと 追い掛ける物の、見つかる様子は無い。彼は、此処にはいないのだから。

悪ふざけが過ぎますよNoirさん

Lunaが声を掛ければ、目に見えない程の細かい物が集まり、重なり合えば霧へとなる。そして人型へと変わるだろう。その姿を確認すれば、瞬時に、相手の前に出て、一撃を食らわせようとする。しかし、霧が、白蓮の背後に周り、両腕を捕らえた。

っ… !?

威勢は褒めてやろう。その他は疎かだけどな … クク …

Noirさん、あまり… …

おや、お前も 遊びたいようだな

見られた者は、静かに笑みをしている。「何の事ですか?」と言うように首を傾げるが、Noirの挑発的な瞳を浴びせれば、次の瞬間には、ひより が、どっさり と地面に落ちるか否かで、Lunaが片手を出して、キラキラと掌が輝いたかと思えば、光のワッカをその手から浮かせた。そして、ひよりの頭の上に浮かべば、その輪からは蓮の花が咲かれるだろう。転げないように、ひよりは、脱力状態で ふわふわ と浮かんでいる状態になるだろう。
片割れの夢は、Noirの背後に周り、空かさず、首へとサバイバルナイフを振り翳し、狙おうとするものの…

生憎、その手の プロを知っている、紹介してあげなくも無いぞ?

余裕な笑みを向けて、Noirは、その攻撃にすら、回避出来てしまう。それも、白蓮を持っての状態で。そう…まるでダンスを楽しむかのような姿である。

ちょ、夢!あぶねっ てっ!?ゃめ!

所でRome、我々に任せたいと申すの …

チラリとNoirがRomeへと眼を向ければ、そっと、Lunaの手を解かせて、Romeはきっちりとした正座をしている。そして、深く頭を下げて、苦笑と、舌舐擦りをするだろう。

はぁ、頭を上げてくれないか?

もしもLunaがいない場合、こんな言葉をNoirが吐けたのだろうか。それをRomeが知っていたかのような態度にでる。だからなのか、焦りはしないが、停止をしてしまう。それは、夢や白蓮も同じ事だ。しかし、裏を読んで言葉をするのは、Noirとて同じ事。

そうか、Romeは礼儀が成ってるな。そんなに畏まらず … おいで


挑発気味た態度には、Romeの出方の、大体は分かるようだ。そして、言葉と言う物に対しても、Romeの前では非常にデリケートである。何より驚いたのは白蓮だろう。「おいで」と言う言葉に、Romeが、自分や夢と同じように、戦闘する態勢を構え、こちらに向かって来ると言う事だ。どちらかと言えば、後ろで指示を下すような、指揮官タイプの彼が、今、こうやって向かって来る事に、驚き隠せれないでいた。素早さなんて物もまた、優れていた。何よりも、身のこなしが、軽く、切れが良い。ぽっかり、としてる白蓮に、Noirが呟く。

本来、アイツは指揮型のタイプだろうな。だから、こっち側に憧れを持っている。

… ぇ ?

本当は、前に出て戦いたいと言う事だ

!!

Romeの攻撃と、夢の攻撃とを交わしながら、白蓮へと言葉を出して行く。

冷静さが、Romeにとっての武器だからな。それを解してやらなければ、ストレスに繋がり、リーダー(指揮官)として、やって行けると思うか?

でも、アイツ自身、かなり良い動きとかっ(下手したら、俺より優れてねーか?)

そうだな。でも、Romeの弱点は…

… ガクリ …

後、一歩と言う手前で、その場に座り込む。何やってんだ!と言う白蓮の口を、指で押さえて黙らせるNoir。そして、片手はRomeの頭へと近付けて、サラリと撫でるだろう。

大分、動けるように成ったでは無いか

Lunaが空かさず近付いて、Romeへと優しいベールのような光を掛けてやるだろう。

知力が優れている分、体力は無いに等しい。或はマイナスとまで行く…。本来ならばポット(フラスコ/試験管)の中で生活をやって、生きてる存在だ、それが、これだけ派手に力を使って …

…Noir、口が過ぎますよ

さっき、Lunaや私を小馬鹿にした仕返しだ。それより、言いたかった事はなんだ?邪魔して、すまなかったな

頭を下げた時に、Romeが口に、出そうとした事を聞き出すだろう。それには、ニィっと笑みを向けて、顔を上げた。

夢と白蓮の強化を、お願いします

白蓮は、きょとり とした顔をするだろう。夢はニッコリ笑って沈黙状態。それにはNoirは、笑いが込み上げて、口元を手で隠す。しかし

ふむ、 わかった

くしゃり、とRomeの髪をNoirが再び撫でてやれば、払いのけられる。わざと、手が払いのけられた事も、Romeには分かっている。自分の非力が 分かる事に、Noirとて、わかる。性格も理解出来ての上の行動だ。それをLunaへと目で伝え、Lunaの口が開く。

世の中、力だけではありませんよ。ひよりさんと、Romeさんに出来る力、それは、誰にも出来ない能力だと言う事も、忘れないで下さいね

ストレートに口にするLunaの言葉には、Romeにとって、痛みには思えない程に柔らかい物だった。むしろ、感謝をするかのように、Lunaへと、静かに頭を下げる。



-Next /更新:10/04/07





NEXT→

1/5ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!