「lie」 to call 「dream」..2
突然研究所に、白い箱を持ってきたかと思えば、それを差出し、目を合わせようとしない。彼のそんな行動は、何を印しているのか、数十年の付き合いである彼だから、よくわかる事何だろう。
-此処は、Romeが生まれ育った研究所を、新しく立て直して作った場所。今は誰も、Romeの歴史を知る者はいない。何故、Romeがこの場所を訪れるのか、それは、この箱を受け止めた、ミルクティ色の髪をした青年が意味を示すだろう。
準備するから何時もの場所で。アンタは、何時ものお茶と、冷蔵庫の苺チョコ、取ってきて
チョコ?
質問を返す時にはもう、彼はいなくて、相変わらず、と口にしながらキッチンに足を入れる。段取り最中に、箱に目にする青年は、ゆっくりと箱を開かせ、眺めている。中身は、白い迷路のような凸凹の世界があり、まるで街のようにも見える。そして、様々な…
植物と、それから2人か…
Romeの気配を感じてか、ゆっくりと目をやれば、一つ欠伸を零して、目を擦る。「人の顔見て欠伸だなんて、失礼な人ですね」の言葉には、「何?」と言い返すだけ。そんな彼に溜息をして、ゆっくりと近付いた。
白鈴(はくりん)さん
その呼び方、気に入らないんだけど
ガチャリ、と後ろ手に扉を閉めると、再び箱の近くに行き、ぼーっと眺めている。何気ない行動だが、Romeにとっては、話しやすいようにしてくれた事。機嫌が悪い訳でも無い、ただ、彼がマイペースで、普通に言葉した物や事が、何故かRomeには変な気持ちが湧いてくる。つまり、Romeは、彼が苦手なタイプでもある。しかし、頼りにする理由が、何か過去の物に意味するのであろう。これはまた、違う話しでのStory…。
そんな彼対して、溜息をまた一つ出して。
ひより
ん、何?
科学問題の話はあんまり、したく無いのですが、今、大丈夫ですか?
27時間ぐらい昨日は寝たから、大丈夫かと…そうだな、出来たら芸術関係の話の方が、俺には興味あるよ… でもさ、
箱を、ツンっと突き、ニッコリと笑えば、片手で苺チョコをつまみ、口の中に入れる。舌を出して、とろっとした甘みを味わえば、また舌を隠して、口を開かせる。
この箱の世界はさ、ドールハウスみたいで楽しそうだね。
それに、科学だけじゃないですよ
すっ…と差し出したのは、試験管に入った様々な色した液体が入っている物。それを見て、嗚呼、確かに、と口にしながら、受け取って、透明掛かりの赤色と青色のコルク蓋を開かせ、その白い世界に色を染めさせるだろう。
…大胆ですね、相変わらず
そう言うRomeは、悪趣味だよな…人すらペットなんだからさ
◆‥…◆‥…◆‥…◆‥…◆
張り詰めた空気の中、空を見上げれば、紫色の雨が降ってきた。それに、何処か甘ったるい臭いがする。どーなってんだ?と真上を見てみる… 薄くだが、微かに何かが見える。
雲 …いや…
そして、微かに聞こえる…
私も試されているのでしょう…
あ?
だから、さっきの質
ちょっと 黙ってて
っ な …
口を押さえられて、慌てる。そんな状態でありとも、耳をパタパタとさせ集中を計らせるる。紫色の雨音で、遮られているが、だけど、聞こえてくる物があるのは確かな事。
…白い場所と、色の付いた雨、それから、植物…声と… 後、必要とすれば …
考え事をしている最中に、後ろから、もの凄い勢いで、緑色の竜巻が二人を攻めてくるだろう。しかし、気付いているのは、黒髪の者だけ、口から白蓮の手を引き剥がし、その竜巻から逃れようとするだろう。
貴方っ危ないですよ !
… 貴方 …貴方…嗚呼、 そうか !
振り返り、竜巻を見た瞬間に、口元をニィっと浮かばせて、その竜巻の流れに乗るように、翼を器用に使う。トントンっと、蹴るように竜巻に足を上がらせて、頂上に付けば、天を再び見上げて、手を伸ばし探り出す。触れた物は、繊細な綿のような物。そこからジワリと滲む、紫色の甘い臭い。そして、耳を澄ませば、先程よりも聞こえる、そして見える物がある。
呑気に茶会とは、良い身分だな羊め…
竜巻は、消えて、自分の翼で空を飛ぶ形へと変わる。しかし、ゆっくりと近付く何かに、咄嗟に翼の力が強まった。
… 手 !?
呆気なく捕まる白蓮の姿に、下で見てた黒髪の者は、ただ見ているだけで、何も口にはしない。
離せっ…この っ、
ズズズズ… っと紫の綿から抜けて行く、この大きな手により引かれるのだが、どれだけ、この綿は深いんだ?と思うぐらいに引かれる。甘い香が酔って行く形に変わる。
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