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Restriction a game...F


 等々 来ませんでしたね。

呟く真っ黒な翼の者が、珍しいと言わんばかりに、周りの紅蓮に続く戦闘戦士が目をやった。普段、そう口にするのは、紅蓮や白蓮では無いだろうか?と思うばかりだ。つまり、黒蓮が言葉を出す程に、二人は何かを考えている。或は、必ず来ると 言う自信があるのか。真紅の軍服を身に纏い、紅蓮は指揮を取っている。

それに …

溜息を零して、呆れた顔を見せる。その顔を隠すように片手で顔を被い被して、ふぃ…っと少々気分が良いような感じでは無く、目をその場から背けて、瞑る。「ばか」と小さく呟き、見ないふり。

その意味を示すものは、軽い足取りで、この教会を抜け出して行く白蓮の姿だ。行き行く先は、広く、賑やかな街。翼や角は消えて、髪を三編みにし、歩いている。
足がぴたり と止まり、ゆっくりと手を差し出し、口元が吊り上がり、笑むだろう。

拾ってやろうか 眠れぬ子羊さん

あれだけ言って分からないのですか
私は羊では …何、笑って…

顰た顔をしながら、相手を見るなり、不機嫌な気持ちでいる事が、白蓮が見ているだけで伝わって来る。目尻が赤く腫れてるRomeの姿に、小さく肩を揺らせた。

拾われたくて こんな所に座っ…

違います、買い物へ

へぇ 何も持たずにかい?

黙り込み、頭が下がる。小さな声で「らしくないねぇ」と白蓮が吐き出す。それには、腕を掴む両手が、服にシワを寄せた。
詠みやすい そんな雰囲気が黙ってるだけなのに分かってしまう。… それは嘘に変わってしまうだろうが。

やらせて …

寂しそう、いや、少し違う、何とも言えない顔をして、白蓮へと目を向ける。体は餓鬼だと言うのに、声や表情に色気が変に感じ取られ、苦笑すら上手く出来ない。

(餓鬼の癖に生意気だな、おい)

差し出していた手が、片腕を掴み、指が苛立ちのようにトントンと指先が二の腕に叩かれて、落ち着きが無い。そんな様子を見たRomeは、フッ…と笑みを向けて、伏せかけた瞳で 話し掛ける。嗚呼、何時ものRomeだ、と 言わんばかりに、手を差し出そうと再びする前に、Romeの手が差し出された。そして指を一本こちらに向けてクルクルと回す。

本気になっている貴方は
まだまだ 若い証拠ですね

ば、

おや?馬鹿に内心詠まれて悔しいですか

… っ

スッ…と、立ち上がり、低めの姿勢で 白蓮を再び見てやれば、静かに立ち上がり、カツカツと靴音を立たせながら、歩いて行く。くしゃりと横髪を掴み上げて、壁に、その曲がった肘を支え、凭れる。

そっちは教会じゃない ぜ?

無言でこちらを振り向き、ヒラヒラと手を振って、来いと言ってるようだ。溜息吐き出しながら、腕を再び組み、Romeについて行く。真っ白な建物に入り、真っ白な道に繋がり、真っ白な扉を開かせ、真っ白なカードキーをポケットに終うRomeを目にする。

部屋の中も真っ白。何もかもが。
手を差し出され、白い瞳が、白蓮の全身を目に写す。息を飲み込み、組んでいた手は下ろされて、汗が滑り落ちる。脳が支配されそうだ。

(やばい、動けない)

…誰が主人なのかを 教えてあげますよ
(身動き取れないのは私の方です。こんなにも、手が震えて、鞭に手が進もうとしない気持ちを味わうとは…君の事を 鞭で、知りたく無いからかも知れませんなんて、馬鹿らしい答えだと君は言い出しそう)

(思った以上にやばかったか…)

覚悟を決めての 訪問でしょう?
それとも 逃げますか…

… は、逃げる?

(やはり私は、馬鹿だ…)

逃げたいのは私かも知れないのに、君を見ていると、Sadisticの血が騒ぎ、どうしようもなく、貴方を留めてしまいたく なってしまう。

ちがう、もっと 違う感情が、この胸に刻まれて行く。唇に指を添えて、感じるこの気持ちは、煩く、Romeの心音を、鳴らし続け、苛立ちと興奮に、鋭い目を白蓮に向けた。


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