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baphomet...@




 退屈だ





桜酔い 真夏過ぎ 秋風寒く 雪化粧…
また…

「桜の季節か…」

横たわり、脚を開かせ、パイプを咥えては、桜の散り舞う様子に、希釈一つ注がせて、頬を苺色に染める。

頭を支えた手は、ズルリと擦れて、頭は腕に落とされ、そのまま寝返りを伐てば、溜息を一つ 吐く。


「 退屈だ …「だったら相手に成ってやろうか?」 … …」

振り向きもせずに、また溜息をし、口から垂れ流しの煙り。

「そんな顔をするな、お前だって好きだろ?」

手を伸ばし、肩に掛かる真っ白な手。それに被さり指を絡めとれば、力を加えて押さえ込まれ、唇奪われる。
瞳は開けたまま、互いに舌を絡め、吸っては舐めてと繰り返し、唇を離す。

「…相変わらず愛想が無いな、白(はく)」

「じゃ、そー言うの、止め…た…(心の溜息)」

再び唇奪われ、そのまま深い海の底まで、落ちもしないのに、落ちたフリなんてしてみるのは毎度の事。
気に入りの真っ赤な着物が、だらし無さを増してゆく。

「黒(こく)…痛い……」

同じ顔してるのに、どうしてこうも、考え方が違うのか。
性欲ばかりの毎日に、何をこうも 興奮出来るのかと考えて、最後には自分も…

「 は、 何だ まだ 元気じゃねぇか」

乱してやり、食うことも進ませる。
真っ白な翼が揺れて、その興奮を身震いさせている。
同じように、その黒い相手の翼も揺れて…、白い方は目を細めた。言葉には出さないが、『…』…
この、白と黒の物語は、後からの物語へと続く。…





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あきゅろす。
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