Restriction a game...A
ズルズルズルズル …
着物を引き擦りながら、眠たそうな表情で、玄関扉から入って、Passwordを言う事なく、扉へとすんなり入って行ける。
片手で扉を押して、Vラングの場所では相変わらず視線を回りから喰らうだろう。
声を掛ける何て出来ない存在、だからこそ、こうも 重く、視線を感じとる。
(別に、話し掛けてくりゃあ遊んでやるんだけどな…ま、そいつは命が無くなるのが惜しい奴ら、つまり腰抜け共って訳だよな。からかって遊ぶのも良いけ…ど…、あれ?)
何だか今日の此処は違っていた。何時もよりもざわめきも有る、そして、何だか懐かしい臭いがする。
(誰、だっけか)
髪をくしゃり と掴み上げて、考えて見る物の思い付かない。そのまま 歩いて行けば、耳に微かに聞こえる懐かしい名前。
Rome … ?
ポツリとその名前を、誰かの言葉後に、復唱するように出した。片手で唇へ指を触れさし、ぁぁー……?っと声を出す。いきなりしゃがみ込み、片手は地へと ベッタリ 付ける。そんな様子を回りは、見過ごさない。此処の場所に、こんなにも長く居る彼が珍しいからであろう。
なぁ、Rome って 誰だっけ ?
誰に質問した訳でも無い、それに その答えを出す事が、回りの連中にとっての"死"を意味する。しかし、答えないとあらば、失礼にも値する。 回りは、目と目でアイコンタクトを取り出すだろう。そして、静かに、静まってしまった。そんな空気な中、口元に三日月を浮かべ半笑いをする。
ぁっは、良いよ 別に …
じゃぁ さぁ、 答えてくれた奴、俺の世話係になってよ?
!!!
これなら"死"は無い、それ所か、この人の側に居られると言う事だ。回りは唾を飲み込み、一斉に言葉を吐き出すだろう。
は … ?
それには、冷たい一言が返って来て、回りは凍り付いた。そして、一人が口を開け、前に出る。その者は、彼がよく知る者。
白蓮、君は 相変わらず回りを見ないね
漆黒に全体が染まる和モノ姿、彼と同じ顔をしている。回りは半分口を開かせて、二人の姿を眺めている。
ぁっは 何だ、いたんだ
困った顔をしながら白蓮を眺める、白蓮の片割れの双子である黒蓮の登場に、分かっていると知っていても言葉を吐き出す。しゃがみ込み、手を差し出し、ほら、っと一声掛けて、笑みに変わる。
なぁ 黒(こく)、 髪 …
またですか
ぐしゃりと片手で握り絞めてしまったからか、絡まってしまっていた。それを意味し、言うように簡単に口から溜息混じりの声を出す。身長よりも長い髪だ、いくらサラサラとしてても、手入れが毎回に必要でいて、困らせる。しかし、着物の袖から、艶のあるクシを取り出して、差し出していた手は、白蓮の髪へと触れて梳かし始める。日常茶飯事の事が故に、常に持ち歩いている。
だらだらと 伸ばしているからですよ
切ろうか ?
…………… ‥ 駄目です
ぁっは ッ
たわい無い会話をしている最中にも、回りの空気は緊張が走っている。成長された二人には、艶っぽさを感じさせている。誰もが、相手をして貰いたいと望むだろう。むらむらと感じる、生温く、緊張、そして、興奮の様子に、黒蓮が溜息。
それで Romeがどうしましたか?
嗚呼、それだよ Romeって誰だっけ
首を傾げる二人。思い出そうとする物の、浮かび出せない。そして同時に答えるだろう、黒さ滲み出る言葉が
教えてください?
Romeについて
教えろよ?
黒、アンタも結局は俺と変わらなくねえか?
いえ、私は回りにチャンスを与えたに過ぎませんので、白(はく)よりは黒い事考えていませんよ
言ってみ?
そろそろ限界な子達(回り)を荒そうと思ってますよ だって、遊びたそうですから
長く居す過ぎか ?
ええ、15分はいます
確か此処のルールは
(上級ランクが下級ランクに15分以上長居する場合、相手は退屈をしていると取る。つまり、お相手しても構わないって事、だったよな(でしたよね)
回りは一気に二人を取り囲み、口元の緩みを知らない。だらし無く、犬のように舌を出す者もいるだろう。パンパンと地から立ち上がり衣類を叩けば、背と背を合わせ、双子はニッコリと口元を吊り上げて笑い、片方が右手を出せば、もう片方も右手を出す。その手を胸にあてて、表れた物は扇子。互いに口元へ扇子をあてて、クスリ…っと笑い。
運悪ぃな
白がイメージしたから、こう 現れたのでしょう?
剣って俺は念じたぜ?
物騒なので、私は楽器とイメージしました
二人は沈黙を浮かばせて、ケラケラと笑っている、そして 扇子を同時に開かせれば、蓮の花が白と黒とで描かれており、それを振り落とすと同時に、白蓮へは楽器の横笛が扇子が化けて表れ、黒蓮へは、短剣が現れる。
は…、捻くれてるな性格っ!
早く楽器を渡して下さい!
黒もなっ !? … て
襲い掛かる、回りの奴らを軽く避けながら翼を器用に風無しに有りながらも、自由を利かせる。まるで楽しんでいるかのようにひらひらと舞踊りながら、相手を仕留めていくだろう。
壁に肉が潰され濡れた後、肉の破片が、地に散らばり…真っ赤に壁や床へと染めて行きながら、双子は笑って裁きを続けた。
威勢が良い奴らって 好きだぜ…っ!
私は嫌いです
そーかい、だったら こんな遊びしてないで、さっさと 扉に潜れよ、餓ー鬼
突然に現れた、真っ赤な濃いめの赤毛で、黒い翼を持った双子の兄弟の一人である紅蓮(ぐれん)が、話に混じり合う。その登場に、二人と回りはピタリと止まるだろう。
…はぁ、 つまんねーの
だったら 倒れてるそいつらを放り出してれば時間が立つだろうな、退屈凌ぎにはなると思うぜ
兄さん 掃除 はしてはいけない事なのですか?
黒蓮…相変わらずマイペースだな
なぁ兄貴 Romeって 誰だっけ?
てめえ もマイペースだよな…今は違う話だろうが…って、何でRome?
嗚呼(うん)、ちょっとな(ね)
Romeって言ったら …今、睡蓮に…
双子は扉の次の扉"Vip"へと脳内を働かせた。睡蓮とのやりとりが出来る存在を浮かべて、想像したのは、一匹の動物、何故が真っ白な羊であったが。
羊野郎か(羊さんか)
−Next 090418 更新
←NEXT→
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!