Alchemist...F
手を重ねて、上にある右手は爪を立て、左手へとプツプツ 赤い液体が浮かび上がる。左手を握り締めて、この絖る物を別物だと考える。そのイメージを何に例えたのか、彼には分かるだろう。
いやらしいですね
… は、 はぁ … ぁ
さらに鞭を加える。その鞭の味わいには、精神すらも傷み付けられる事になるだろう。いつ くるのか 分からない 恐さに、大体の人は、震え上がりながら、助けを求める。目隠しと、縛りだけでも それは感じ取れる物でしょう。
ぁ … っ
流石 子供ながらでも”私”ですね
サディストはマゾヒストの事を何よりも知り
何よりも それに愛があるか…
ふ、 愛なんて 君には必要ありませんが
可愛がって あげましょうかね…
(… ふ、此処まで自分が …
卑劣な生き物だとは思わなかったですよ)
次に来るのは、弱点だろう。分かってはいる。だけど、こうも遊ばせる自分の精神には苛立ちが隠せれない。その自分で今、傷付けた場所を、強く刔らせ、微かな、音を頼りに、鞭音を聞き分ける。
… ッ … アアッ !!
良くなってきたじゃありませんか
さあ 顔を上げなさい
そう言葉を零して、頭へと彼は踏み付ける。歯を噛み締め、薬の作用に目尻に涙を含ませ、地を濡らせる。
情けないですね
そのまま足は頭を擦らせ、頬を這わせ、顎元に持って行き、顔を上げさせた。今の表情は、前髪で隠れて、思うように見えはしない。壊れかけた顔を見せるのか?と言いたげに、更に顔を上げさせる。
ハ…ぁ ハ … ッ ハッ ぁ
乱れた息に続く語尾の甘い声に、目を細めて、肩を揺らしながら笑う。
嗚呼、まだ足りないようだね。そう口にする小声は、嫌に耳へと届く。
奮えた両手は、その足を外そうと抵抗を見せる。その弱さに攻める側のRomeは、耐え切れず、馬鹿みたいに笑う。
アッ ハハハハハハ ッ !
何、ねぇ どんな気分なの?
言ってごらんよ? ほら、
助けてください っ てさ ? ハハハッ!
… た す け … て
く だ … さ … い …
!!?
驚いた顔をする。しかし、助けを求めたRomeには、その顔は見えていない。
ガタガタと震えた手で、貴方の足を、いやらしく撫でて、そのまま靴に唇を置き、キスを加え、舌を這わせ、吐息を吐き出す。
呆気に取られてしまい、思わず行動が止まり、相手の様子を見入ってしまうだろう。
…………‥ …
なん でも する … か ら …
(自分自身なのに)
…お ね…が い…し ま す
(…想像出来ない…)
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