Alchemist...E
つまり 私はSia(エルフ)を使ったHomunculusだと言う事。
更にこうやって 魂も分離し、一人の筈が二人と成っている。同じ者(Rome)が、二人も
だけど、もう あの薬を味わう あの表情を楽しむ事は出来ないと言う事 ですよね。
もう マテマリット(奴隷・Zen)はいないから。…だなんて甘い考えはありませんか…。
代わりに 君(ゴミ)がいますがね
…何、自分に対して
そのような事考えているのですか?
逆の立場だと 君だって思うでしょう?
… …
答えが手に取るように分かる。少年の彼は次の瞬間、一歩後に下がる。その下がる事に対して、器の彼は同時に腕を掴んだ。
逃げられる訳が無い。わかっている、だけど此処から先は未知なる領域。
自分が受け身に回る姿を見た事が無い。
興味が膨れるのは器のRomeだけだ。
さあ、どんな行動に出るのかと、笑みを向けた。これ程に笑みを恐れる形に取った事は今までに有るだろうか。
今まで 私自身が やってきた事だと言うのに。今の返す笑い方は、私ではない。
… いいでしょう …
その笑みがいつまで続くのか見物ですね
抵抗と呼べる物が無くなった。
「なるほど」と、内心思いを振るそちらのRome、そして、行動に進むだろう。引き寄せ、顔を近付かせる、その瞬間、頬を強く打たせた。
… ふん、思ったよりも ワンパターンですね
それでも 私の血が流れているのですか …
「(挑発に乗らない事は知っています)」しかし、言葉を出すよりも、酷く感じるのは何故なのか。蹴られ続けて、軽く吹っ飛ぶ少年の姿を見てどう思うのか。自分自身の惨めな姿を見て、どう 思うのか。
まだ いけますよね ?
パシリ 音を響かせた鞭の音、こちらに近付き、倒れ込む少年の顔見るように、無理矢理、髪を掴み、上げさせる。
おや…
少年の眼は くだらない様子を映し出したものだった。赤色混じりの唾を吐き出し、伏せ眼な瞳で笑みを向ける。
バキ ッ …
余裕に満ちた少年を殴り、再び吹っ飛ばせて仕舞えば、再び近付き、その倒れ込む少年の背へと足で踏み付けて、体重をかける。ヒールの踵が刺さり、刔られて行く感触を実感しながら、地に爪を立てる。
… … …
立ち上がりなさい
… 重たいです
言葉に慎みを持ちなさい
誰に物を言ってるのですか
… 仕方がありませんね
そこで、あの薬が現れる。
嗚呼、この苦しみは 分かっている。
何度も受けているからね、君も私も、この体に、Zenの意識のある時だったが、それでも私の体には変わり無いのだから。
苦しみを知ってるのが当然。何よりも…
… さあ 聞かせなさい 甘声を
… …
その後 可愛がってあげますよ
私が作った薬なのだから。
入り込む針。深く、深く、入って…
液体が体内に触れる この味わいは、Zenが感じた物だ。ああ、こんなにも …
… は 、 は ぁ … っ
今、体を強く抱きしめる事も出来ないなんて…何処でこの体を狭め、我慢をしようか。視界が歪み、体が熱く、所が燃えているような苦しみ。頭が痛く、息が出来ない。
熱さ 痛さ 気持ち悪さ …
… ッ…
だけど、思ったよりも、声を上げる程では無いでは無いか。そう思った次に来る、視界が暗闇に変わる物と、音が全く聞こえなくなる状態へと変わり、少年は眼を見開けて、片手を伸ばし 何かに掴もうとするだろう。
… あっははっ 安心(何か物)でも
探しているのですか?
…
自分で作った薬の症状
覚えていますよね
真っ暗闇の世界
そこに私は 何を求めてしまったのか。
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09/02/17/tue 更新
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