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Alchemist...B


額に手を翳す、窓から照らす太陽の光りが眩しくて、目が覚めた。
一言「…寒い…」と口にし、体を疼くめる。震えが止まらず、そのままの状態で停止させ、次には熱さを覚える。

………

暫く時間がたてば、起き上がり、片手は顔を大きく掴み、俯く。「…痛い…」眉間に皺を寄せて、顳み(こめかみ)部分の痛みを欝陶しく思い、次には口を押さえた。

… け ほ …

生温い、どろり とした赤色を吐き出し、壁に手を付けて立ち上がれば、壁は赤く染まり、その壁に指を這わせながら歩く。

は …ぁ … は ぁ …

荒い水の音を立たせる。赤色が消えるまでしっかりと。そして再び歩きだし
足が重い、身体が重い、頭が重い。
息苦しい、
だけど、


キィ … … ガタン

扉を潜れば、服装を整え、しっかりとした足取りで進み、"家族"と顔を合わせる。
柔らかな微笑みを交えて、何時も通りの日常が始まる。

随分と遅かったのね
スープが冷めてしまったわ

ごめんなさい
調べ物をしてましたら
つい 夢中に

勉強熱心な事は良いが
母さんを困らせてはいけない

はい お父様
それと お父様 後で
教えていただきたい事が

いいだろう

柔らかなパンを口にし、食事を楽しむ。
13時を過ぎれば、母親は茶会に出掛けて、二人切りの生活に変わる。
普段ならば、どちらかが Sadistic効果が現れる。しかし 今日は違っていた。
二人同時に言葉が下された。

" 跪付け "

お互いに目を細ませ、同じポーズを取りながら、口元に指を添える。
肩を揺らせながら、相手をじっくりと眺めて、首を傾げ 同じ言葉を吐き出す。

どうやら 終わった(死んだ)ようですね
と すれば
貴方の名前は Rome 、 ですね?
フフ …
つまり、マテマリット(奴隷)のZenはいない

魂が二つに別れてしまい、目覚めが同時に訪れた結果が此処に出ていた。
しかし、不利になるのは、明らかに小さき身体のRome、此処で話す言葉が変わってくるだろう。
そして、出される言葉が分かるが故の、欝陶しい気持ちが横切る。
だからこそ、小さなRomeは言葉を無くした。

我ながら賢い選択です
さて、小さな私、何を恐れていますか

返答が返らない事は分かっている、が故に質問を重ねる。
自分の弱みも勿論、分かっている …
傷を 刔るように …

醜い身体 ですね
もう二度と、この私の身体までに
成長はしない 何て
えぇ、 今の私は奇跡を見てるようです
この 手に入れたかった 身体
それに今 入ってるのですから

…おや、私の割には馬鹿な考えを
その身体とて いつかは滅びる
だから こそ
この若い身体を永遠に保ち
生きていくと 誓ったのでは?

思っても無い事を
あの日の 実の父親の失敗を褒めて
いると 言う事ですか?

さぁ ?

そうだ 今此処で 一つの私に成れば
答えが分かる事でしょう?
まぁ 勝ちは目に見えてますが

…………

私は死にたいのです
歳をとってね

逃げたい気持ち、よく分かります
ですが
… 間違っていますよ
その身体も 歳を取りません

… … っ

そう、科学者、錬金術の失敗の答、この身体は何十年後のRomeの身体でもある、命の犠牲にしてまで手に入れた、作られた身体。父親の魂を 食い殺してしまった。もう既に、父親の身体は、この世には存在しない。
Romeの身体欲しさに錬金をし、完成された結果は、残りカス(父親)の魂を、遊んだだけの時間に過ぎなかった。
それを 哀れんで Romeは 長く生かしていた。しかし、作られた物は、何時かは壊れるもの。

いつもならば、どちらかが、Rome(S)であり、どちらかが父親(M)であり、Gameを楽しむ時間だ。そう、父親は完全に消えてしまい、食い殺してしまったと言う事。
後始末の結果を知らない二人のRomeは、考えた。"母親(嫁)なる存在"

今 どちらかがいなく成れば
確実に 彼女は 悲しむでしょう

えぇ、それは避けたい
大好きな … Reisu

しかし、二人のSadisticの血は、ギリギリ迄に、到達していた。
次の、マテマリットを探さなければと、思う心は彼女を思うよりも 増していたのかも知れない。近くにいる存在、それが自分であったとしても 御馳走(うまそう) と 思おうか。


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あきゅろす。
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