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SadisticBoy...F

その後の記憶が確かな物なら、俺(紅蓮)の兄貴(睡蓮)が現れて、この、ニードルの術を解いて、相変わらずな無表情な顔(つら)をして、言葉を出した「後は、出来るね?」と…。
白蓮を抱き上げ、去って行った兄貴には、自分もまた強がり「当たり前だ」と言葉した。

腹から大量の血液が零れ落ち、熱苦しく、回りは襲い襲われと空気は気持ち悪いぐらい熱気の眼だと言うのに、肌寒さが鳥肌と、唇の青さで示されていて、その壁に背中を付けて、深呼吸する事が、こんなにも苦しいとは思わなくて…。

「…ふ、大丈夫ですか?」

そんな中でも、そうやって笑う少年が現れ、紅蓮との視線が合わさるぐらいに腰を下ろして、手を差し延べ、紅蓮の唇に指先が触れた。
その指先に舌を絡ませ、腕を震わせながら上げて掴み取れば、ゆっくりと離して、その手を握り、白いブラウスの裾が、赤く染まってゆく。

「無礼だね、君」

「あ、あ、悪ぃ…」

「良いよ、今日一日、君が僕のマテマリット(奴隷)に成ってくれるのでしたら」

そう、その少年は、Romeだと気付いたのは、奴隷を゙マテマリッドと言う表し方をする所で気付いた。
目を合わせ、眩暈交じりに、Romeの顔を見る。「パパはどうした?」と質問すれば、頭を左右に振り、顔を近づけた。
ニードルを埋め込まれた傷口に二本の指が折り込まれ、引っ掛けるようにし、びちゃりと音を立たせれば、痛みが声に成らない程に体を跳ねさせ、伝わってくる。

「返事が聞きたいのですが?」

表情も変えずに言葉する少年は、そのまま顔を下ろし、紅蓮の高まり部分を膝で、踏み付ける。痛さで感じているのか、少年の存在に頭の中がコントール出来ないのか分からない。しかし、どうしてこうも込み上げてくる気持ちが熱いのか、涙が溢れて落ちてくるのか分からない。

「そう、僕の前では素直になればいい、君が望む物、全て、今だけ、叶えてあげるよ」

「馬ー…鹿(寂しい)」

「…いい子だね、紅蓮」

高まりが、少年の小さな唇で落ち着き始めて、素直に声を漏らせて、涙を隠させた。
どうして、こんな少年に心引かれるのか、それを知ってしまえば、彼もまた、SadisticBoy中毒者。

=SadisticBoy END…next →Alchemist





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あきゅろす。
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