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SadisticBoy...C

赤い花びらが地へ落とし込もうとも、回りの客は、知らない顔して、自分の性欲と欲求を満たし、こちらを時折見ては、その行為をし続ける。

ぼた ぼた …

真っ赤な赤色は、ズルズルと引き擦られながら、道行く方向に線を彩る。
元々を赤色に染めている彼にとっては、まるで絵でも描かれる一部のように綺麗に皆の目は感じ取られ、更には、近づき、相手を願おうとする性欲者もいようか。

か …は ……… ぼたぼたぼたぼた…

それだけ狂った場所だと言うのは分かっていた事では無いか。
そう、数時間前の話に巻き戻そうか。






あれは、真っ白なアルケミストの親子と、初めて話をし、戦闘を仕掛けた瞬間の話だった。
どっかの馬鹿が、火を使い、油を使いと、無防備な猫を焼き殺そうと楽しんでいる現場を、背後より行っていた事だ。
普段なら、前方の恐れ多い存在から、眼を話す余裕等なかった。それに、そんな現場は今まで幾つも見て来て分かっていた話だ。
しかし、嫌な予感が脳内に横切り、振り返り見てみれば、その猫と表現した物は、人間の赤子を意味することであり、腐る程の数が積み重ねられていた。
それを焼き、溶かし、血と肉の焼き焦げた臭いに顔をしかめれば、いる筈の黒き小さなbaphometが自分の側に居なかった。
そう、その馬鹿が手に持っていた メインデッシュに成っていたのだ。

自分の所有物では無い、その存在に手を出すのには、相手の許可が必要となる。死を眼の前にする行いとなれば、一つの必筆が必要となる。
つまりこれは、ゲーム(晩餐)の違反者となり、処罰される定めと決まっている。

が、この状況化では、ルールよりも、その、存在を助けねば成らないと、アルケミストを後に、走り行く。

「おやおや、やはり兄弟とあれば、助けにいくのですね。まあ、当然でしょう」

「……」

アルケミストの放った大量の人食い植物を爪で引き裂きながら、その元へと走り行く真っ赤な髪色をした少年。目元がこの熱さで狂い、幾つもの傷を体に負うだろう。
火の海と、その火にも死なぬ植物との戦いに牙を向き、走り行き、後一本先には黒蓮(こくれん)がいよう。
手を伸ばし、掴もうとした瞬間の隙に紅蓮(ぐれん)の胸へと大きなニードルが串刺された。

… … は、 ぁ 、 …
(馬鹿も良いトコロだよな…)

「よう、お兄ちゃん…狙いは貴方だったんだが、こうも簡単に遊んでくれるとはなぁ?」

「餓鬼を… 離して くれね?」

俯き加減に言葉を吐き出せば、口から零れる赤色の糸。
そして、よく見れば、その猫は、人形ではないかと、拳を軽く作らせ、また緩ませた。そして…

「あ?餓鬼…?…はっは、アンタには悪いが、これはレプリカだ」

そう 偽物。本物は、一体何処に?
顔を上げて、視界が緩む世界を、弱々しく見つめる。

「アンタには散々、楽しませて貰ったからなぁ?今日は、こっちが楽しませてやるよ」

「はは、 … … こんな状況で 立つ訳 ねぇだろ馬ー鹿… 」

笑みはしても、この腹に未だ突き刺さるニードルには、余裕を見せても傷は深い。
そして、先程から感じる、この視界の眩暈には、脳内を霞ませ、息をするのも面倒になりそうだ。

「 ま さか … 毒 とか … 、 は…」

ニードルに毒、そして、植物に与えられた、甘い眠気を誘う毒にも、幾つもの傷で貰ったのだろう。
死にはしないが、今、何かを食らえば、気絶は絶対な物だろう。


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あきゅろす。
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