[携帯モード] [URL送信]
SadisticBoy...B

張り詰めた空気が、二人を囲む。
苦笑をする紅蓮(ぐれん)の片手には、真っ赤なネイルをした爪から、パチリと火花を走らせて、漆黒の翼が、大きく開かれた。
息を飲み込み、片足に力を含ませ、勢いを付けようと勝負体制に入る。
そんな様子を軽く笑って遇い、指に食い込む小瓶をちらつかせれば、勢いよく、地面へと叩き付けた。
会場の客達は、こちらに振り向くだろう。
ざわめきが、我々を取り囲むように寄せ付ける。それだけ、人が囲ったと言う証拠だ。それには舌打ちを零し、姿勢を低くする紅蓮。

「(派手に暴れれ無い…)」

そのざわめきの中、欠伸を一つ落として、紅蓮に引っ付く黒蓮(こくれん)には、口元ニヤ付かせて、一つ、安心をした。
下手に、恐れたり、暴れたりするよりは、このパターンは動きやすい。
内心、白蓮で無くて良かったと思っていよう。

「そうだな、もし、君がこの勝負を抜けられた場合、一つ願いを叶えてあげるよ」

「じゃあさ…」

勝負事に対して、何かを賭けてくるのには知っていたかのように、返答を軽く返す。
同時に、自分への危機感も感じるだろう。
相手が、どれだけ強いものなのかを知ってると言う事に値する。

「…Rome様を頂こうか…な?」

「……くく、面白いことを言う…」

Romeの眉が、ピクリと反応を見せた。その後、何も無く、ただ、一点を見ており、小さく微笑んだ。
まるで、こちらの負けが確定であるのを、示したかのように。「余裕」を値しているのかも知れない。

「では、こちらは、紅蓮くんの眼球を頂くとしようか」

「(…)」

「何も両目とは言っていないよ、片目だけ貰えると言うのはどうかな?」


負け、それ則ち眼球では済まされず、死を値するに近い。この余裕に満ちた相手に、口元には深い笑みを刻むが、相当なプレッシャーを感じる。



… いいぜ ?…



−Next




NEXT→

3/7ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!