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心配の行方
「…そんな…!」





桃の目の前には血だらけで横たわる阿散井の姿が…





「…僕が見つけた時にはもう、この状態だったんだ…
もう少し早く見つけて僕が戦いに加勢していれば…」


「ううん…そんなの…
吉良君のせいじゃ…」





口元を抑え必死に感情を抑える桃。
そんな、桃を悲痛な思いで見つめる吉良。





「…ともかく四番隊に連絡するよ上級救助班を出して貰おう…」


「その必要は無い
牢に入れておけ」





桃の背後に阿散井の上司…六番隊の隊長、朽木白哉が立っていた。




「そ…そんな…
阿散井君は一人で旅禍と戦ったんです…それなのに……」


「一人で戦いに臨むということは決して敗北を許されぬと言うことだ
それすら解らぬ愚か者に用など無い目障りだ早く連れていけ」


「ちょっと待ってください!!
そんな、言い方って…」


「よせ!」


「だって吉良くん…!」





朽木隊長に異論を唱える桃を吉良が止める。朽木隊長は無言のままその場を去って行った……





おーーこわ!





二人の背後に市丸隊長。イヅルも驚きはするが自身の隊長だと安心する。





「何やろね、あの言い方
相変わらず怖いなぁ六番隊長さんは
心配せんでええよ、四番隊ならボクが声かけてきたるから
ついておいでイヅル」





イヅルを連れて行く市丸の背に深々と頭を下げた桃だが………





おわーー!こりゃ ハデにやられやがったな阿散井のヤロー!」


「ふわあぁ!?」





いきなりの冬獅郎の登場に涙を浮かべる程驚く桃。





「ひ…日番谷君!!」


「オイオイ
オレ もう隊長だぜ、いーのかよそんな呼び方で?」


「うるさい!もう!
どうして隊長さん達はみんな足音たてずに近くにくるのよっ!!
だいたい日番谷君がどうして…………
…どうしてこんなところにいるの?」


「忠告に来たんだよ
三番隊には気をつけな」


「吉良くんのこと…?なんで?」


「俺の言ってんのは市丸だが吉良もどうだかな
取り敢えず気をつけといて損はないぜ
特に……」


「え、それって……」


「気をつけろって舞の奴にも会ったら伝えといてくれ……最近、見ねぇから」


「…うん、隊長と副隊長だからかな?
なんか、舞ちゃん定例集会とかでしか会ってないかも」


「…そうか」


「柊隊長……亡くなってから、舞ちゃんなんだか……」


「…まだ、整理出来てねぇだろ。
舞はずっと彼奴の傍にいたんだ……」


「そだね…」





冬獅郎と桃は幼なじみの心配をする。……届くかも解らない心配は…闇に溶けていった。



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あきゅろす。
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