「……」 ピッピ、ピ 「来るぞ、構えろ舞!」 「了解っ」 伝令神機による指令によると間もなくこの場に虚が三体姿を現す。 「三体?…私、だけで出来るかな?」 心配そうに俺を見る舞。 そう、今回俺はあくまでも補佐役だ、虚は出来る限り舞が倒すことになってる。 「大丈夫だ、いざというときは俺が補佐してやるって言ってんだろ?…!、来たぞ!!」 穏やかな青空を引き裂き現れた三体の虚。ニタリと虚が笑った刹那、舞の顔が強ばる。 ……大丈夫だ、舞は俺が守ってやる! 「…吹き荒れろ“霧雨”」 大量の水が吹き溢れ、青く光る刀身を構える舞。 ……水系の斬魄刀だったのか、見といて損は無さそうだ。 「コムスメヒトリか!」 「気持ち悪い!小娘何て言って!虚って皆、同じ事しか言えないわけ?“斬水軌”」 舞が斬魄刀を勢いよくふりおろす、だが、虚とはかなりの距離がある…何をするんだ? 振り下ろした刀に促されるように周りの水がみるみるうちに鋭い形に変化し虚に向かって飛んでいく。 ドォオン── 三体の虚は、ほぼ同時にその水の刃によって斬られた。 「……」 「…舞?」 水と氷─ その関係は…最強ではないか? ただ、 「泣いてるのか?」 「……虚は、救われた?」 あまりにも、水が優し過ぎる… 「あぁ…柊に聞かなかったのか?俺達の斬魄刀は虚になった人を救う為の刀だと…」 「うん………ありがとうって…聞こえた、気が…した」 「……」 力は与えられた… その力は、何故舞を選んだんだ? 何か意味があるのか? 「冬獅郎の斬魄刀ってどんなの?」 「氷雪系だ…」 「!、冬獅郎、水が…私が冬獅郎を支えるね!」 「…あぁ」 下を見ないお前…上を見るお前 後ろを見ないお前… 前を見るお前 お前が明日を見るなら 高みを目指すなら 俺と共に其を目指すと云うなら 目指してみねぇか? 水と氷で最強を─── |