零番隊舎の執務室。 柊隊長の前には訳が分からないといった感じの私…舞と やれやれとだるそうな冬獅郎がいた。 話を纏めるとこうだ、“冬獅郎と一緒に現世へ虚を討伐してくる” 「すまねぇな冬獅郎。 こいつにはまだ、虚と戦わせたことねぇんだ。だからお前、一緒に行ってやってくれ。まぁ、多分心配はいらねぇと思うけどな」 「何も俺じゃなくてもいいんじゃねぇのか?」 確かに、ただの虚討伐に隊長が足を運ばなくてもいい。 「…まぁな。だが、お前も興味あるだろ?こいつの斬魄刀に」 「!…あぁ」 「…それに、冬獅郎はこいつの斬魄刀を知って損はねぇと思うぜ?」 「?」 冬獅郎は柊のその言葉に頭に“?”を一つ。 そう、冬獅郎と舞はお互いの力を知らない。 そんな2人を楽しそうに見守る柊は、自身の育てた弟子2人がこんなに逞しくなって…自分頑張ったなぁ……なんて考えていたりする(笑) 「舞、虚の弱点は?」 「頭!」 柊が突然舞を指差し質問した。間髪も空けずに、舞はそれに答える。 「よっしゃ!完璧だっ!!」 「…いいのか?それでι」 そう思わずにはいられない冬獅郎。 天然の舞と適当な柊がコンビを組むと安心なんか出来ない寧ろ不安さえする冬獅郎……否、尸魂界の誰もが思うだろう。 隣を見れば、初めての見る地獄蝶に嬉しそうにはしゃいでいる舞。 とても一死神とは思えない。…これで、瀞霊廷最強の零番隊副隊長と云うから驚きだ。 そんな2人の背を見送りながら柊は呟く。 「…舞、恐れるんじゃねぇぞ──」 空は快晴 良い散歩日和だ… |