「居るか?ナルト…」 少し荒い息の少女をちらっと横目で確認して火影室の扉を開ける。 「……シカマルか…」 其処には、とても一里の長とは思えない“うずまきナルト” しかも、俺が面を付けた状態で真名を言ってしまうから本当に呆れる。 「ッたく、何度言ったら分かるんだ?暗部名の意味がねーだろ!」 「なるほど!」なんて言いながら、ポンッとなるほどのポーズをしているナルトにまた、ため息が出る。 「死の森にいた…女を連れてきた」 「女?」 言って後ろを見て前に出るように少女に顎で合図をする。 少ししてゆっくりと火影室に入ってきた。 「もう一度言う、お前は何であんな場所にいたんだ?」 「…分かんないでも……多分、私この世界の人間じゃない」 暫しの沈黙が茉奈には辛い。 やはり、信じて貰えそうにないかも。だって、私だってよく状況を理解出来てない。 「パラレルワールドか…」 「パラレル?」 「“もしも”の数だけ世界は広がっているって考えだ。」 「“もしも”ってどんなのだってば?」 パラレルワールド… もしも、医療が発達した世界 もしも、戦争ばかりの世界 もしも、忍者がいる世界…… 「ん゛ー」 「お前は分かんなかったら別にいいι」 「ん、なんとなく分かるってばよ!」 「ハァ、俺はあくまでもお前の補佐だ…ナルト、この女をどうする?」 ビク、 ギュッと拳を強く握る。 「ナルトー書類は出来た?」 「?」 ピンク色の少女が部屋に入ってきた。 「サ、サクラちゃん!…ま、まだだってば……ι」 「何やってんのよ!…あれ、この子は?」 「死の森にいた…異世界の女だ」 |