長い沈黙が火影室に流れた。
サクラはナルトが言って此処にはいない。
「…で、茉奈を見捨てろっていうのか?」
「っ、うん」
聞いたことのない低いナルトの怒った声。何で怒っているなんて言うまでもない。
私を狙う者がいて、私を助けないでとナルトに頼んだから。
「…俺ってばカカシ先生やエロ仙人に教えてもらったんだってば……“仲間を大切にしない奴はクズだ”って!」
「……ありがとう、ナルト」
「茉奈!分かってくれたってば?」
「…でも、未来は変わらない。私、知ってるの…だから、夢や希望を持っちゃったら辛くなる。
変われたんだよ私。ナルトやシカマルのお陰で……ありがとう
シカマルには全てが終わったあと“ありがとう”って伝えてね」
「……茉奈…………わ、分かったってば」
「ありがとう」
ナルトは目を合わせてくれなかった。
私は深々とナルトに頭を下げて走って家に帰った。…たぶん、帰るのはこれで最後。 |