「着いてこい」 そう、言われて 森を黙々と歩く2つの影。 鹿の面の男は、少女が自分が触れることに嫌がるのを知り少女の歩みに合わせ、ある場所に向かっていた。 少女は、小柄でその空色の瞳は長い前髪によって時々見えるだけ。…綺麗な瞳なのに勿体無い、等と柄にも無いことを思った自分に苦笑する。 「あの…何処に向かっているんですか?」 おずおずと自分の後ろから少女の声がする。 ピタリと足を止め、少女に振り向く。ビクリと小さく震える少女を見てため息を一つした。 「わりぃ…痛かったか?」 「…、いえ」 下を見て小さな声で返す少女。 痛くない筈はない、今は止まっているが血が少女の襟元を赤く染めていた。しかし、それに手を伸ばしかけて止めた。 少女が一歩、一歩後退するから。 「…めんどくせー、分かったお前には触れねぇ」 そう言ってやれば、ホッとしたように緊張していた肩を下ろす。 余程、俺が触れるのが嫌らしい。 「……スピード上げれるか?」 コクンと頷く少女を見て少し歩くのを早める。 太陽が傾きかけてる。 崖にある里の象徴である六つの顔岩。 六つ目にある顔は、俺が支えてる里の長。 「どうするんだろうな、ナルトの奴……」 森を抜けた其処は、火の国にある“木の葉の里” |