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ColorfulDays!



「じゃ、じゃあ私達には関係ないですね!私達カップルじゃないし」


ムードに流されないように上ずった声で突き放す言葉を投げかけるりり子 。だがそんな言葉を聞き流すように後ろから手が伸びてきてそのまま顎に手をかけられて無理矢理後ろを振り向かされる。


「関係ないっスよ。これからカップルになればいいんだから」


そう言って笑う黄瀬さんの顔が至近距離にある。
静まりかえる密室の中で車内アナウンサーが頂上へのカウントダウンを告げた。


「や…っ!」


クイッと顔を引き寄せられて一気に黄瀬さんとの距離が近くなった。お互いの唇に触れるまであと、ほんの数センチ。




アナウンサーの声だけが響き渡るこの密室。いよいよ3カウントに入った



――頂上まであと3…2…1











「いやああああああっ!!」



アナウンサーの「頂上です」という言葉と共に思いっきり黄瀬さんを突き飛ばした。














「ひどいです!あんな性質(たち)の悪い悪戯をしてくるなんて」

先ほどの黄瀬の行動に怒りを覚えたのか観覧車を降りてから真っ先に怒鳴りつけた。

「す、すんませんっス」

飼い主に怒られた犬のようにショボンとする黄瀬。観覧車の中にいた人物と同一人物とは思えない程のしょぼくれようである。

「今回のことは水に流して忘れますけど、今度こういう事したら本気で張った押しますからね!」

「もうすでに張った押されたっスよ…でも、本当にすんませんっス」

「…今日ここに連れてきて下さった恩もあるからもういいです」


プイッとそっぽを向いたりり子を見て小さく笑みを浮かべる。


「じゃあ、そろそろ帰ろっか!家まで送ってくっスよ」

「え!?それはさすがに悪いですよ!」

「さっきのお詫びっス」

「じゃ、じゃあお願いします」



心臓に悪い出来事がありつつもなんだかんだでこのテーマパークに連れてきてくれた黄瀬に感謝をしながら帰路につくりり子であった。





――だが最寄り駅に着いて肩を並べて帰り道を歩いてるそんな二人を偶然眺めていた人物がいた。







「嘘や…まさか隣を歩いてるあの男がりり子
ちゃんの好きな人なん…?」




まだまだ波乱は終わらない




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あきゅろす。
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