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ColorfulDays!



このテーマパークに着いてからどれくらいの時間が経ったのか、辺りは日が沈みすっかり暗くなっていた。
観覧車から見下ろしている景色は都会の街並みを照らすようにネオンの光に包まれている。
それがダイヤモンドのようにキラキラ輝いていてキレイだ。りり子は窓に両手をつきながら目の前に広がる景色を楽しんでいた。


「黄瀬さーん!みてみてー!すっごいキレイー」


目の前ではしゃいでるりり子に促され窓の外にチラッと視線を向ける。「わー本当だー。キレイっスねー」と抑揚のない声色で返したら案の定やる気のないような黄瀬の態度にりり子は「もーっ!」と剥れた。

さっきのりり子の言葉からどこか上の空になっている黄瀬。景色に夢中になっているりり子を見つめながら何やら考え込むような表情を浮かべていた。


――黄瀬がりり子に最初に興味を持ったきっかけは合宿での練習試合。

今までの経験から自分の運動能力に絶対の自信を持っていた黄瀬は相手の得意分野とはいえりり子との勝負に負けるとは微塵も思っていなかった。しかも相手は女子だ。身体能力的にも差がある。
だが、そんな自分の自信を覆すかのように予想を超えた相手のプレイで自分は負けた。
けれども悔しさはまったく感じなかった。プレイを通して相手の実力を認めざるをおえない程の満足いく試合だったからだ。
その小さな体の中に秘めている未知数の能力を持ったりり子に黄瀬は興味を持った。

次に興味を惹きつけた理由は赤司だ。
滅多に他人に関心を示さない赤司が何故合宿中にあんなにりり子を気にかけていたのか?仲間には「赤司っちは面食いっスね」と茶化しながら話していながらも容姿がいいという理由だけで赤司があそこまで気にかけるはずがない。そんな考えが黄瀬の片隅にあったために自分の目で確かめたうえでの赤司が りり子に惹かれた確信めいた答えが欲しかった。


この二つの出来事が重なったことで、好奇心からりり子がどういう人間なのかを観察したかったという理由で今日のテーマパークにりり子を誘ったのだった。


だが、今日丸一日りり子と一緒に過ごしたことでそんな目的を忘れるくらいに楽しんでいた自分がいた。

――りり子っちの人間性?

今となってはそんなことはどうでもいい。
今日一日を通して彼女の魅力は充分にしてわかったから。



「りり子っち。隣座ってもいいスか?」

「え?」


突然の発言に夢中になって眺めていた窓の景色から黄瀬に顔を向ける。


「な、なぜ?もしかしてこっち側の景色見たいとか?だったら席交換しますよ!?」


戸惑いを隠せないのか顔を赤らめたままテンパるりり子。そんなりり子の扱いにもう手馴れたのか「そのままでいいっスよ」って言いながらりり子の隣に座った。


「き、黄瀬さん…?」


距離が一気に近くなり密着する形になったこの状況に心拍数が上がる。

――ち、ちちち近いよ!?

緊張を悟られないように再び窓の外に顔を向けた。この狭い密室内の空気が一気に変わったように感じてこの空気になんとなく危機を感じたりり子は雰囲気に呑まれないように口を開く


「あ、え、えっと、景色キレイですね」


咄嗟に話題を切り出してみるものの噛み噛みの口調になってしまって全然動揺を隠し切れていない。こんなんじゃ私は意識しまくってます!って暴露してるよなもんだ。
そんなりり子の動揺にさらに拍車をかけるように黄瀬は窓を見ていたりり子の体を背後から覆い被せるように両手を握ってきた


「本当っスねー!街中が宝石みたいっス」

「ちょ、ちょっと…っ!」


後ろから抱きしめられる状態に近い体制になる。てか密着しすぎだよ…!心臓持たないっ…
さっきまであんなに夢中になっていた景色なのにまったく集中できなくなっていた。


「りり子っち、この観覧車のジンクス知ってるっスか?」

「ジ、ジン…クス?」


耳元から聞こえてきた黄瀬さんの問いかけに、声だけで返す。


「そ!この観覧車が頂上に着いた時にキスをしたカップルは永久に結ばれるらしいんス」


その言葉に思考回路が停止した






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あきゅろす。
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