ColorfulDays!
◇
…という事なのである。
テーマパークに釣られたりり子は今日一日の練習時間を犠牲にして自分の楽しみを優先させたのだった。
「すんませんっスー!待ったスか!?」
待ち合わせから15分後。ようやく誘った張本人が現われた。走ってきたのか少し息が切れてるようだった。
「お疲れさまです!全然ですよー!音楽聴きながら待ってたらあっという間でした」
さっきまでの怒りはどこにいったのか黄瀬の顔を見た瞬間にコロッと態度を変えるりり子。それはこれからの目的地に連れて行って貰う立場であることをわきまえた上での対応であった。実に調子がいい奴だ。
「ファンの子達に囲まれて撒くのに手間取っちゃって…ほんっとすんまっせんス!」
「そんな謝らないでください〜!私の事は本当お気になさらず!それより大丈夫でしたか?」
「今はもう撒いてきたんで大丈夫っスよ。てか私服姿可愛いっスね。大人っぽい!」
りり子の姿を見て称揚の言葉を送る黄瀬。一緒に歩く相手がモデルという事でいつも以上に気合を入れてきたのだ。
「えへへ、ありがとうございます!黄瀬さんが一緒に歩いても恥ずかしくならないようにいつも以上に気合入れてみました!」
「あはは、相変わらずおもしろいっスねりり子っちは。普段のりり子っちも充分可愛いっスよ?」
「えっ!?」
黄瀬の言葉に顔を赤らめるりり子。そんなことをさらっと言いのける黄瀬さんはやはり女心を鷲掴むのがうまい。それに私服姿のせいかこの前会った時と雰囲気が違う。そんな黄瀬さんを見て改めてカッコイイなと思った。
「じゃ、いこっか」
「は、はい!」
赤くなった顔をおさえながら駅の中に向かった
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