ColorfulDays!
◇
「いーなぁ、せーちゃんはなんでも出来て!この前の幼稚園の運動会のリレーもまた一等賞だったよね」
「りり子はスタート地点で転んでビリだったよね」
「うっ!(グサッ)見てたんだ…。」
「でも、あそこで転んでなかったらりり子が一番だったと思うよ」
「うっそだー!だってうさぎ組で一番のあやかちゃんがいたんだよ?どっちみち一番はとれなかったよー」
「僕が言うんだから間違いない。僕が今まで間違ったこと言ったことないだろ?」
「う…うん。」
「それに…りり子にも出来る事あると思うよ」
「え!?本当に!?」
「うん。テニスなんてりり子に向いてるんじゃないかな?」
「テニス?」
「そう、テニス。初めてみなよ!きっとりり子が夢中になれるスポーツだと思うよ!」
「テニスかぁ…。おもしろそう!やってみようかな」
―――pipipipipipipi
「…ん…ユメ…?」
部屋中に鳴り響く電子音を聞きながら重い瞼を持ち上げる
視界がぼやけて意識も曖昧
朝は苦手だ。カーテンから差し込む光が眩しくて枕を抱えたまま再度うつ伏せになる。
随分と懐かしい夢を見たなー。今の私を創りあげてくれるきっかけになったあの一言…
あの言葉があったから今の私がいる。
でも…その言葉をくれたあの子って一体誰だったっけ?私記憶力悪いからなー…
さっきまで見た夢の余韻に浸りながら本日二度目の眠りにつこうと瞼を閉じた瞬間…
「りり子!!いつまで寝てんの!?朝練は!?」
部屋のドアを開ける音とともに我が家の首領(ドン)がオタマを片手に持って鬼の形相を浮かべてあらわれた。
「あと、5分〜…」
「あんたの後5分は1時間でしょ?いい加減布団からでないと尻ぶったたくよ!?」
そう言いながらズカズカと人の部屋に入ってきてカーテンを全開にする。
観念した私は重い体を起こしてしぶしぶベッドから降りた。
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