ColorfulDays!
◇
「じゃ、もう暗くなってきたしそろそろ帰ろうか」
「せやな!お前家どこなん?俺らで送ってこか?」
「あ、すぐそこなんで大丈夫ですよ!ありがとうございます!」
「久々にりり子ちゃんに会えて楽しかったわ!また一緒におしゃべりしましょうね」
「はい!お二人とも今日はありがとうございました!では、ここで失礼しますね!」
そう言ってお互いに手を振って帰って行った
「あれ!?あそこに歩いてるの謙也君と財前君やない?」
りり子と別れてしばらく歩いてた先に小春の目に夕日に向かって歩いてる謙也と財前の後ろ姿が見えた
「おーい!謙也君、財前君!!」
後ろから大声で名前を呼んだら一斉に二人とも後ろを振り返った
「あれ?お前ら何しとったん?」
「さっきまでりり子ちゃんとお茶しとったんよ」
「なんやてっ!りり子ちゃんとさっきまでおったんか!?」
りり子と聞いて澄ましていた謙也の顔色が一気に変わる。
「偶然街中で会ったのよ。その流れで近くのお店でゆっくりお茶してたの!相変わらずキュートだったわよりり子ちゃん!」
「アホ!なんで俺にすぐ連絡せんかったんや!」
心底小春と一氏が羨ましいのか半分八つ当たりをするように二人に怒鳴り散らす謙也
「話しに夢中になりすぎて忘れ取ったわ。けどなー謙也。水原のことは諦めたほうがええで」
一氏の言葉にピタリと謙也の動作がとまる。それと同時に得体の知らない不安が湧き上がってきた
「は?なんでや」
「あいつ他に好きな奴おるみたいやで」
「はっ!?」
一氏から聞かされた衝撃的な発言に目が大きく見開く
「あーあ。失恋っスね、謙也先輩。ま、最初から無理やと思うてましたけど」
そんな今の謙也に容赦なく追い討ちをかける一言を放つ財前。そんな財前の頭を思いっきりどつく謙也
「い、一体誰なんやそいつは…」
「帝光中のキセキの世代と呼ばれてるバスケ部の奴やって。そっから先は俺らも聞いてへんわ」
「キセキの世代やて!?なに人や」
「えー?謙也きゅん知らないの!?今、旬の男達やで?」
「旬だかなんだか知らんけどそんなわけのわからん奴にりり子ちゃんを取られてたまるかい!!とにかく俺は絶対そんなことでりり子ちゃんを諦めへんで」
「しつこい男は嫌われますよ」
「うっさいわ財前!」
ぼそりと呟く財前の頭をどつく
「とにかくせっかく東京に来たんや!この短い期間をチャンスにして絶対にりり子ちゃんを俺のものにしてみせるで!!」
りり子に好きな人がいると聞かされてもめげない謙也。
新たな決意を見せた謙也の叫び声は夕日の中にこだまして消えていったのだった。
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