ColorfulDays!
◇
「あのー…仁王さん…」
「ん?なんじゃ?」
「練習に戻らなくて大丈夫なんですか?」
あれから立海レギュラーさん達が練習に戻ったあとにテニスコートが見渡せるベンチに腰掛けて見学していたら、何故かずっと仁王さんも隣に座っている。
未だ仁王さんは練習に戻る気配はない
「俺が隣におると落ち着かんか?」
「えっ!?そ、そんなんじゃないんですけどー…戻らなくて大丈夫なのかなって思って…」
「水原とゆっくり話してみたかったんじゃ。こういう機会中々ないからのぅ」
「そ、そうなんですか…?」
「それにしてもお前さんはよく言葉を噛むな。癖なん?」
「く、癖っていうか…わたし人見知りする方で…だから初対面の人の前ではあまりうまく話せないんですよ」
「ほーう。意外やのぅ。見た目からはまったくそんな風に見えんよ」
「そ、そうですか?」
「ま、そんな緊張しなさんな。気張っとっても気疲れするだけやろ」
「それもそうですね!」
仁王さんの言葉に自然と笑みが零れた。初めてまともに話してみたけどなんだか思ってたより気さくな人だなぁ。コート上の詐欺師なんて呼ばれてるからもっと恐いくてとっつきにくい人かと思ってたけど
ただ、やっぱり洞察力とかは優れてるなー。核心をつくのがうまいっていうか…
「ところで美月は元気にしとるか?」
仁王さんの問いかけに我に返る
「あ!は、はい。相変わらず元気してますよ!」
「そうか…」
そう言ってなにか考え込むような表情を浮かべる仁王さん
もしかして仁王さんまだ美月先輩のこと気になってるのかな?
「仁王さ「おーい!いつまでサボってんだよ」
気になって遠まわしに聞いてみようと声をかけた瞬間それを打ち破るようにラケットを持った丸井さんがやってきた
「お前がいないとダブルスの練習できねーんだよ」
そう言って腰を下ろしている仁王さんに立ち上がれと促すようにラケットで小突く丸井さん
「それはすまんかったのぅ。じゃあお迎えがきたから俺はここで退散するぜよ」
「あ…はい」
「じゃーなレールガン!ゆっくりしてけよ」
そう言って二人は去っていった。
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