ColorfulDays!
◇
「あちらに見えるのが真田君です」
「わ〜助かりました!柳生さんありがとうございます!」
フェンス越しに弦ちゃんが後輩に怒鳴り散らしてる光景が見えた。どうやら会話に夢中になってる間にいつのまにか目的地に到着したようだった
「お役に立ててなによりです。では真田君を呼びに行って参りますね」
「はい!お願いします」
そう言って柳生さんはフェンスを開けてテニスコートの中に入って行った。
にしても広いテニスコートだなぁ。青学の二倍はあるんじゃない?そんなことを思いながら辺りを見渡していると…
「あーっ!そこにいるのはもしかして青学のレールガン!?」
不意に後ろから誰かに話しかけられた。今日はよく背後から声をかけられるなーなんて思いながら振り返るとそこにはニカッと笑みを浮かべたモジャモジャ頭の男の子がいた
この男の子には見覚えがある…
確か名前は
「2年生エースの切原赤也っス!いやー生で見るとすんげー可愛いっスね!」
「ど、どうも…」
切原君のことは噂に疎い私でも知ってる。
去年の新人戦でかなり注目されてたからね。それに関東大会で全国区の橘さんを14分で倒したとか…
「せっかくだからそこのコート空いてるし試合やんない?」
「へ?」
いきなり笑顔でそんなことを言われたもんだから目が点になる。
「いや、でも私ラケット持ってないし」
「俺の貸すから大丈夫っスよ!ほら、早く」
「はっ!?ちょ、ちょっと!」
戸惑う私を無視してテニスコートに向かっていきなり強い力で腕を引っ張られる。
「ちょっ!そんなことしてる暇ないんだってば!」
「すぐ終わるから大丈夫っスよ」
必死に抵抗しても切原君はまったく腕の力を緩めてくれる気配はない。切原君はかなりのラフプレイでも有名だ。全国大会前に怪我なんかしたくないし…
誰か…
「こーら赤也!女の子いじめてんじゃねーよ」
「いてっ!」
いきなり背後から現われた人物に頭を殴られる切原君。それによって掴まれてた腕の力が緩んだからその隙に素早く切原君から離れた。
助かったと思い顔を上げるとそこには風船ガムを膨らませた赤髪の男の子が立っていた。
「うちの部員が悪かったな」
「い、いえ…。えっと貴方は?」
「はぁ!?俺のこと知らねーのかよ!…まぁいっか。俺は立海大付属3年の丸井ブン太だ。シクヨロ」
丸井ブン太…?あぁ!ボレーのスペシャリストで有名のあの人か!名前は知ってたけど顔と名前が一致しなかったから思い出せなかったよ
それにしてもこの人の赤髪。赤司さんを連想させてしまうなぁ
「青学のレールガンが立海になに用?」
「あ、立海に用っていうよりは真田さんに用があって…」
「真田?なんで?」
「私と真田さんイトコなんですよ!それでちょっと真田さんに聞きたいことがあって…」
「イトコ!?お前と真田イトコなのかよ!?」
「マジっスか!?」
イトコという言葉に丸井さんが驚いて目を見開く。隣で聞いてる切原君も驚いてたようだ
「は、はい」
私の返事に二人は一旦間を置くとしばらくして一斉に大声で笑い出した
「マジかよ!全然似てねーな!」
「そうっスね!同じ血が繋がってるとは思えないっス」
やっぱりこの反応か…
私と弦ちゃんがイトコってことを告げるとほとんどの人は決まって今の丸井さんと切原君と同じようにお腹を抱えて爆笑する。
ま、自分でも似てないって自覚してるからいいんだけどね。
「おい!何を騒いどるんだ貴様ら!!」
突然聞こえてきた怒鳴り声に二人の笑い声がピタリとやんだ
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