ColorfulDays!
◇
「桃井、救急箱を持ってこい」
向こう側で黄瀬さんと青峰さんの1on1を見守ってる桃井さんに呼びかけるとそれに気付いた桃井さんは「はーい」と返事をして体育館の用務室に入っていった。
ジャージを捲って足を見せると捻挫を隠していた湿布を遠慮なしにビリッと剥がされて、腫れ上がってる足首が露になった
「結構腫れてるな…痛むか?」
「ぶっちゃけ少し…」
「赤司君!持ってきたよー!」
救急箱を持った桃井さんが到着した
「どうしたのこの足!大丈夫!?」
腫れ上がってる私の足を見て心配そうに声を荒げる桃井さん
「大した事ないんで全然大丈夫ですよ!」
笑顔で答えるも桃井さんの心配そうな表情が消えることはなかった。
黙々と私の足に包帯を巻いてく目の前の赤司君を見つめる。
もしかして…私の足の怪我を心配してさっきあんなに怒ってたのかな…?
うーん…まさかね!
考え事をしてる間にいつの間にか包帯が巻き終わっていた。
「これでしばらく痛みは治まるだろう。今日はもう宿舎に戻って休むんだ」
「はい、ありがとうございます…それと色々迷惑かけちゃってすみません…」
「今後無茶をしないと誓ってくれれば今回の事は許そう」
「う…わ、わかりました。もう今後絶対に無茶はしません…!」
「立てる?りり子ちゃん」
「はい…あれ?痛みがなくなってる」
桃井さんに抱えられたまま立ち上がるとさっきまでズキズキしていた足の痛みが嘘のようになくなっていた
「一時的に痛みを止めたに過ぎない。無理をしなければ全国大会までには完治するだろう」
「…え?」
そんな事まで考慮して手当てしてくれたの?
「…う…っ…」
「きゃっ!どうしたの!?りり子ちゃん!」
赤司さんの優しさに思わず涙腺が緩んで涙が溢れてきた。そんな私を見て吃驚する桃井さん
「あ、赤司さーん…ありがとうございますー…グスッ…」
「あーーーーーー!!赤司っちがりり子っちを泣かせてるっス!!」
いつから見てたのか向こう側からこちらを指差して大声を荒げてきた黄瀬さん。練習をしていた他の部員達もそれに気付き一斉にこっちを見てきた。
「一体何があったんだよ!?」
「あかちーん。女の子泣かせたらダメじゃーん」
好奇の視線が一斉に私と赤司さんに注がれた。おもしろおかしく騒ぎ立てている部員達に赤司さんが黙っているはずもなく…
「全員今から外回り100周行ってこい」
威厳の篭もった赤司さんの一喝に部員達は一瞬で静かになった。
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