ColorfulDays!
◇
そのまま赤司さんは私を目掛けてこっちに向かってきた。そんな赤司さんの道を開けるように紫原さんと黄瀬さんが一歩後ろに下がる。そして私の目の前で立ち止まると無表情のまま私を見下ろしてきた。
てか、改めて向き合って見ると同じ中学生とは思えない程の風格だわ。弦ちゃんや跡部さんや手塚先輩とはまた違った種類の。
特に目。今見下ろされてるこの瞬間はまさに赤司さんに身も心も捕らえられて支配されてるような感覚だ。
吸い込まれそうな赤司さんの瞳に思わず身震いがした
「き、昨日はありがとうございました…」
「きちんと休めたかい?」
「お陰様で!」
「そうか…」
なんだろ…いつもの赤司さんとなにも変わらないのに
なにかが違う…
この得体の知らない赤司さんに対しての恐怖はなんだろ…
もしかして赤司さん私になんか怒ってる?
「お前達は自分の練習場に戻れ」
そう赤司さんが周りに告げるとみんな散らばるように自分の練習場へと戻って行った。そしてシーンと静まりかえってた空間が再びバスケットボールの音と談笑の声で賑やかになった。桃井さんと黄瀬さんは未だにこっちの状況が気になるのかこっちをチラチラ見ていた
この広い談笑が響き渡る体育館の中で赤司さんと私がいるこの空間だけが別次元のようだった
「所で一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「な、なんでしょう…」
聞きたい事というワードに心臓の鼓動が早まる。
「この暑い中なんで上下長ジャージを着てるのかな?」
ドクンと心臓が大きく脈を打った。
傍から見たらごく自然な質問なのに赤司さんから発せられたその質問に何故だか嫌な汗が流れた。
何故なら瞬時に足の怪我の悪化を見透かされてるような気がしたからだ。
「今日の気温は35度の酷暑。今年一番の暑さだそうだ。それなのに今日に限ってそんな暑苦しい格好をしているのは明らかにおかしいよね?」
「え、えっと…今まで着てたジャージはお醤油こぼしちゃって…」
「残念だが俺に言い訳は通用しない。…足の捻挫が悪化したんだろう?」
「っ!?」
やっぱりバレてるー!てか初めからバレてた!?
「あ、足はもう治りました」
バレてるってわかったにも関わらず私の口は悪あがきの言葉しか出てこない。こんな事言っても無駄だとわかってるのに
「なら今すぐそのジャージを脱いで足を見せてみろ」
逃げ場はないみたい…
てか女の子に脱げってセクハラじゃん!
「昨日俺は君を自室に送った際に今日の練習は大事をとって休むようにと伝えたはずだが」
「朝起きた時は足の痛みがなかったから平気だと思ったんですよ」
「痛みがなかったら怪我をしていても練習に参加してもいいのか?そんな愚かな行為は2流のプレイヤーがすることだ」
「す、すみません」
「わかったら足を出せ」
「え?なぜ?」
「手当てをしてやる」
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